2013 Fiscal Year Research-status Report
ソフトリソグラフィーを駆使したシリコンナノ構造の自在配線
Project/Area Number |
24560861
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
花尻 達郎 東洋大学, 理工学部, 教授 (30266994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 透 東洋大学, 理工学部, 教授 (40165634)
中島 義賢 東洋大学, 学際・融合科学研究科, 准教授 (40408993)
水木 徹 東洋大学, 学際・融合科学研究科, 准教授 (80408997)
東 利晃 東洋大学, バイオ・ナノエレクトロニクス研究センター, 研究助手 (90624742)
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Keywords | シリコンナノ粒子 / SPM / SOQ / μ-TAS / MPC / PCR |
Research Abstract |
バイオ・ナノ融合デバイス/回路のプラットフォームとして、Si基板や石英基板の代替基板としてSOQ (Silicon On Insulator)基板に着目し、本年度はSOQ基板上の電子デバイスの設計および試作を行なった。まず、SOQ層をナノオーダーまで極薄膜化し、更にそのSOQ層を利用しpin構造を有するFETを作成した。これにより、可視光に対して殆ど透明であるSOQ基板ならではの特性を活かした光・電子融合デバイス作成の要素技術が確立され、シリコンナノ微粒子の発光を検出する高感度検出器の設計指針が明らかになった。次にシリコンナノ微粒子を流すマイクロ流路のプラットフォームであるPDMS表面に対するMPCコーティングの効果について調べた。高濃度のMPCポリマーを用いたコーティングをマイクロチップに施すことにより、DNA合成酵素の非特異的吸着による酵素活性の低下を著しく抑制することが出来ることが分かり、長鎖長DNAのPCR増幅の可能性を示すことができた。最後に、シリコンナノ微粒子含有溶液の走査プローブ顕微鏡(SPM)による分散のための予備実験に着手した。ナノ微粒子としてはシリコンナノ微粒子に留まらずCNT、グラフェン、DNA、酵素をはじめとする蛋白質等から構成されるバイオ・ナノハイブリッド構造体を想定し、そのSPMを用いた高精度マニピュレーションによる位置制御の為の基礎実験を行なった。真の原子分解能を有する殆ど唯一の次世代高速SPMとなる「原子分解能多機能走査プローブ顕微鏡」を整備し、グラファイトの原子像および二本鎖DNAなど、バイオ・ナノハイブリッド構造体の構成材料の超高分解能イメージの観察に成功した。さらに生体物質を最適な環境に保つことが出来るシステムであるプローブ顕微鏡ユニットを整備すべく、開発メーカーとの共同によりその基本設計を終了したところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度は共同開発先の都合により整備が遅れていた、真の原子分解能を有する殆ど唯一の次世代高速SPMとなる「原子分解能多機能走査プローブ顕微鏡」を今年度整備することができ、さらに、時間変化の激しい酵素やDNAをはじめとする生体材料の評価のために、高分解能を得るための安定した高速観察と共に、活性を保つための至適温度/至適pHの制御環境を整えるべく、「原子分解能多機能走査プローブ顕微鏡」を大幅に拡張拡張する形で「環境制御型光熱励振プローブ顕微鏡ユニット」を整備すべく、開発メーカーとの共同によりその基本設計をほぼ終了することが中間年度における本年度中にできたため、全体としては当初計画よりやや遅れている部分もあるものの、最終年度における来年度には本研究の当初の目的を達成できる見通しが明るくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
SOQ基板上での配線とその評価を行う。まず、来年度上半期においては、本年度、整備することができた高性能走査プローブ顕微鏡を用いて、ナノ粒子のソフトリソグラフィー技術を早急に確立する。そのために、装置開発メーカーと共同の形で高性能走査プローブ顕微鏡の大幅な機能拡張を行なう。来年度下半期においては、上半期において確立したナノ粒子のソフトリソグラフィー技術を駆使し、SOQ基板上に、お互いにアイソレーションされた複数のシリコンメサ構造を作成し、これらを擬似的な電子デバイスに見立て、SPMソフトリソグラフィーによりシリコンナノ配線で接続し、配線の電気的評価を行なう。さらに本年度、SOQ基板上に試作することに成功したpin- FETに対して、FET同士をシリコンナノ配線で接続する。さらにそれらをバイオマテリアルで修飾し、新機能高感度バイオセンサーの試作を行なう。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度は共同開発先の都合(会社の吸収合併など)により、真の原子分解能を有する殆ど唯一の次世代高速SPMとなる「原子分解能多機能走査プローブ顕微鏡」の整備が大幅に遅れ、本年度に整備することができたが、その影響により、当初本年度に計画していたシリコンナノ微粒子含有溶液の走査プローブ顕微鏡(SPM)による分散のための予備実験に関しては年度内の着手には至ったが、本格的な実験については次年度に渉って継続することになってしまった。またその影響により、当初、本年度に計画していた走査プローブ顕微鏡の改造についても開発メーカーとの共同によりその基本設計をほぼ終了までには至ったが、本格的な改造は次年度持ち越しとなってしまった。以上の遅延状況の影響により、当初計画していたシリコンナノ粒子やバイオ試薬の購入を延期せざるを得なかった。 走査プローブ顕微鏡(SPM)を用いたソフトリソグラフィー技術の確立に関しては、高性能SPMの整備とその機能拡張を計画していたが、当初計画よりスケジュール的には遅れを生じていたものの(主に共同開発先都合による)、高性能SPMに関してもその機能拡張に関しても性能的には当初計画を上回る装置の整備が可能になりそうな見通しがたったので、当初計画していたSPM用Qコントローラーやプログラマブルファンクションジェネレータに関しては整備を見合わせ、その分の経費をシリコンナノ粒子やバイオ試薬などの購入に充当することにより、計画の遅れを鋭意取り戻す予定である。
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[Journal Article] Quantitative Extraction of Electric Flux in the Buried-Oxide Layer and Investigation of Its Effects on MOSFET Characteristics2013
Author(s)
Yamada, Tatsuya, Abe, Shumpei, Nakajima, Yoshikata, Hanajiri, Tatsuro, Toyabe, Toru, Sugano, Takuo
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Journal Title
IEEE TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICES
Volume: 60
Pages: 3996-4001
DOI
Peer Reviewed
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