2014 Fiscal Year Annual Research Report
InSitu法による高効率高分離CO2吸着分離膜の創製と吸着膜分離性能の最適化
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24560862
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
永井 一清 明治大学, 理工学部, 教授 (40350269)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 分離膜 / In Situ法 / 二酸化炭素分離 / 高効率高分離 / POSS / ATRP / ポリイミド / 温室効果ガス分離 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、温室効果ガスである二酸化炭素を選択的に吸着膜分離する有機無機ハイブリット膜を創製し、その吸着膜分離性能の最適化を行うことを目的とする。高分子中に吸着微粒子を分散させる従来技術と異なり、単位体積あたりの吸着表面積を増加させるために、In Situ法で高分子中に分子サイズレベルの吸着部位(カーボン被覆Polyhedral oligomeric silsesquioxane (POSS))を形成させようというものである。そのために、POSS 構造を側鎖に有するポリメタクリル酸とポリイミドを基本単位として、ミクロ相分離させずに各成分を均一分散させた膜を調製した後に、メタクリル酸部位だけを選択的に炭化させて、カーボン被覆POSSを形成させることを特徴とする。 本年度は、平成25年度までに合成した膜に対して、分離膜への応用のため、炭化前の膜を中心にガス透過性およびガス分離性を、膜へのガス溶解性と膜中のガス拡散性の観点から研究した。合成膜は、自立膜として実用的なガス分離条件に耐えられる強度を有していた。火力発電所の排気ガス処理を念頭においた二酸化炭素と窒素及び酸素、天然ガスの分離を念頭においた二酸化炭素とメタン、石炭ガス化複合発電を念頭においた二酸化炭素と水素の分離について検討した結果、二酸化炭素とメタンの分離実験において高い分離性が得られた。合成膜は、広角X線回折測定にて非晶性パターンが形成されており、走査型電子顕微鏡観察によるPOSS基のナノ分散構造と一致した結果が得られた。POSS基の含有量が増えるにつれ分離性が増加したことより、POSS基に基づくガス吸着性と、POSS基周辺のガス拡散性の効果によることが示唆された。今後、合成膜のより高度な微細構造制御により、さらなる分離性能の向上が期待できる。
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Research Products
(8 results)