2013 Fiscal Year Research-status Report
中性子を用いた燃料電池用固体電解質中のプロトンの動的挙動の解明
Project/Area Number |
24560866
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
井川 直樹 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 量子ビーム応用研究センター, 研究主幹 (60354833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樹神 克明 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 量子ビーム応用研究センター, 研究主幹 (10313115)
田口 富嗣 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 量子ビーム応用研究センター, 研究主幹 (50354832)
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Keywords | 燃料電池 / 中性子散乱 / 水素 / プロトン伝導体 |
Research Abstract |
固体電解質材料であるBa-Sn-In系酸化物やBa-Y-Ce(Zr)系酸化物、La-Ba系酸化物の合成法の最適化を行い、中性子を用いたリートベルト法による結晶構造解析や最大エントロピー法解析に重要な単一相粉末の合成に成功した。Ba-Sn-In系酸化物プロトン伝導性固体電解質材料については、粉末中性子回折実験およびリートベルト解析/最大エントロピー法解析を併用した結晶構造解析およびこれらを基に行った計算機シミュレーションによって局所的な結晶構造の乱れを解析した。その結果、原子が結晶位置からずれる静的乱れが大きくなること、また、構造解析には中性子散漫散乱の寄与が無視できないことが判った。La-Ba系酸化物固体電解質材料では、中性子回折/リートベルト解析より結晶構造の決定、さらに最大エントロピー法解析により原子核密度分布図の作成に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
粉末中性子回折装置を用いたその場観察条件下にてプロトン挙動を測定するための中性子用電気炉の製造に着手したこと。また、中性子回折実験に利用できる良質なBa-Ce系酸化物系およびBa-Zr系酸化物プロトン伝導性燃料電池固体電解質材料の単一相粉末が合成できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
中性子回折実験用電気炉を作製・据付けを行い、上述の合成試料を用いて中性子回折測定を実施する。これらの実験結果を基にプロトンの挙動に着目した動的な結晶構造変化の添加物効果について検討し、研究の総括を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
中性子回折実験用電気炉の作製・据付に必要な本物品用消耗品の一部および試料合成のための原料の購入を次年度にしたため。 中性子回析実験を実施するために必要な試料量を得るための原料および試料合成実験や中性子実験に必要な消耗品の購入に使用する予定である。得られた研究成果について、学会発表等を行うための旅費および学会参加費として使用する。
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Research Products
(4 results)