2014 Fiscal Year Annual Research Report
中性子を用いた燃料電池用固体電解質中のプロトンの動的挙動の解明
Project/Area Number |
24560866
|
Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
井川 直樹 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 量子ビーム応用研究センター, 研究主幹 (60354833)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樹神 克明 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 量子ビーム応用研究センター, 研究主幹 (10313115)
田口 富嗣 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 量子ビーム応用研究センター, 研究主幹 (50354832)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 燃料電池 / 中性子散乱 / 水素 / プロトン伝導体 |
Outline of Annual Research Achievements |
プロトン伝導性固体電解質材料・Ba-Sn-In系酸化物やBa-Y-Ce(Zr)系酸化物、La-Ba系酸化物の合成法の最適化を行い、中性子を用いたリートベルト法による結晶構造解析や最大エントロピー法(MEM)解析に重要な単相粉末が合成できた。Ba-Sn-In系酸化物やLa-Ba系酸化物固体電解質材料について、中性子回折/リートベルト解析より結晶構造を決定し、さらにMEM解析により原子核密度分布を可視化することに成功した。 特に、Ba-Sn-In系酸化物プロトン伝導性固体電解質材料については、計算機シミュレーションによって局所構造を計算し、原子が結晶位置からずれる静的乱れが発生するという結果を得た。一方、中性子回折・リートベルト/MEM法によって解析した原子核密度分布から、プロトン導入前の試料は、Ba、Sn/Inサイトの原子核密度は球形であるが、酸素の原子核密度は{001}面上に広がりを見せることが分かった。これは、計算機シミュレーション結果に見られた酸素の結晶位置からの静的乱れを直接観察できたものと考えられる。さらにプロトンを導入することで、原子核密度が低いプロトンの密度分布を可視化することに成功した。さらにこのプロトン導入後材料では、酸素の原子核密度が{001}面上で結晶軸に平行な方向へと拡大することを見出した。これは、プロトン導入によって、酸素の静的乱れが増大された結果である。さらに、中性子原子対相関関数解析法によって局所構造を解析した結果、プロトンを導入することによっていくつかの対相関ピークのプロード化が観察され、これらの現象からプロトンの動的挙動によって局所構造の歪みが増大されることを明らかにできた。
|
Research Products
(5 results)
-
-
-
-
-
[Presentation] Local Lattice Distortion Caused by Short-range Charge Ordering in Transition Metal Oxides2014
Author(s)
K. Kodama, N. Igawa, S. Shamoto, K. Ikeda, H. Ohshita, N. Kaneko, T. Otomo, K. Suzuya, A. Hoshikawa, T. Ishigaki
Organizer
2nd International Symposium on Science at J-PARC
Place of Presentation
Tsukuba, Japan
Year and Date
2014-07-12 – 2014-07-15