2014 Fiscal Year Annual Research Report
材料の強度特性・破壊予測を目指した放射光X線によるミクロ組織イメージング法の構築
Project/Area Number |
24560869
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
佐藤 成男 茨城大学, 理工学研究科, 教授 (40509056)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 金属組織解析 / 転位 / X線回折 / ラインプロファイル解析 / 放射光 |
Outline of Annual Research Achievements |
金属組織の加工硬化、破壊の予測をめざし、転位、残留応力などのミクロ組織パラメーターの2D分布解析法の開発を目指した。H24年度にエネルギー分散型X線回折法による残留応力-ラインプロファイル解析の開発を行い、H25年度は解析精度を上げるため二次元検出器を用いたマイクロビームX線回折法によるラインプロファイル解析法を開発した。これらの測定・解析法をもとにH26年度は負の積層欠陥エネルギーを持つCo-Cr合金への展開、さらに荷重変形方向に対する転位形成の異方性、さらに高温下でのその場測定結果について議論した。 Co-Cr合金では引張変形に伴うX線回折パターンの変化から、降伏強度に近づくと、弾性領域にもかかわらず転位の再配列が進むと同時に転位密度が減少した。この転位密度の減少は、負の積層欠陥エネルギーにより部分転位が安定であるため、荷重に伴い完全転位が拡張し、積層欠陥と成ったためと推定している。また、高温下で伸線加工パーライト鋼のラインプロファイルの変化を追跡した実験では、転位セルにおけるセルウォール内の転位が優先的に回復することが明らかになった。 以上の知見は今回開発した測定法、解析法により初めて導かれたものである。この研究を遂行するに辺り、放射光X線回折ラインプロファイル解析のための標準プロファイル導出法の開発も行っており、同分野の実験を行う研究者への解析指針を提案している。多様な合金で本研究の有効性を示すことで、さらなる多様な材料分野への新展開を促す波及効果が期待される。
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Research Products
(9 results)