2013 Fiscal Year Research-status Report
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24560872
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
鈴木 徹也 茨城大学, 工学部, 教授 (70261740)
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Keywords | 耐酸化性 / 表面被覆 |
Research Abstract |
平成25年度は鉄基板の被覆のためのTi,AlおよびFe粉末の混合処理材のレーザー加熱処理前の塗布状況の影響およびその均一化について主に調査した。塗布被覆材の厚さは基材と被覆材の組成が異なるため本研究の場合そのままレーザー熱処理後の被覆層組成分布に影響を与えると考えられる。Ti,AlおよびFeの粉末を有機溶剤を用いて混合しているが、撹拌機により均一に混合できるようになったものの塗布された状態で塗布厚さがやや不均一であった。これを均一化するために、塗布装置を開発した。レーザー顕微鏡等により被覆材の厚さを測定しつつ試行錯誤を重ね、条件を導き出して以前よりも均一に被覆材を塗布することに成功した。 また被覆層の耐久性を吟味するための酸化試験の検討を行った。酸化そのものに対する耐久性は連続酸化試験により行い、熱応力が付加された場合の被覆層の力学的な耐久性および密着性などを評価するためには室温と高温を繰り返す繰り返し加熱冷却試験が有効であることがわかっている。本研究の場合その両方で評価を行うこととした。酸化温度としてはステンレスが一般的に耐久性を持たない800℃から900℃の温度範囲を考え酸化試験を行った。酸化試験はまだ途中段階であり、これまでに作製してきた様々な条件のうち粉末の濃度のバランス、粉末の粒径、被覆時のレーザー加熱の条件、さらには被覆材の撹拌状態や塗布の状態すべてを吟味して本研究の成果としたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は研究の進行に伴い、被覆材の塗布厚さコントロールという計画時の予定にはなかった項目を行ったが、本来の目的である被覆層の組成のコントロールという目的には合致した結果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
酸化試験を行い被覆を行った試料の耐酸化性を評価する。これまで行ってきた様々な被覆層作成条件を吟味して最適な条件を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は研究が被覆材の均一塗布にシフトしたため、被覆後断面観察に必要な研磨用消耗品の支出が抑えられ、それにともない分析費、アルバイト費も少なくて済んだ。 平成26年度は本来の計画以上に被覆層断面の観察を行うことになると考えられ、25年度の未使用額を消費する予定である。
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