2014 Fiscal Year Annual Research Report
二層凝集現象を用いた自己組織化ナノ構造薄膜の作製とその応用
Project/Area Number |
24560874
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神子 公男 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (80334366)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ナノ材料 / 自己組織化 / 微細加工 / 結晶成長 / 脱濡れ / ナノデバイス / 局在表面プラズモン共鳴 |
Outline of Annual Research Achievements |
二層凝集(脱濡れ)現象による自己組織化過程の考察を行った。また、AuとAgの合金ナノ・ドットの作製、安価なシリコン酸化基板を用いたナノ・ドットの作製等を行い、その光学特性について調べた。また、本手法を用いた磁性ナノ・ドット作製に向け、膜の多層化を行い、その構造解析と磁気特性について調べた。研究成果の概要を以下に示す。 1. 二層凝集現象における自己組織化のメカニズム- 多種多様な試料を作製し、比較した結果、自己組織化過程において、表面エネルギーの利得による安定性よりも熱応力(歪み緩和)による効果が顕著であることが判明した。期間内で得られた結果をまとめ、シード層による熱凝集促進化における、シード層の選択指針を提案した。 2. AuとAgの合金ナノ・ドットの作製- AuやAgのナノ・ドットは、各々が特有の局在表面プラズモン共鳴(LSPR)波長を有しており、その形状に大きく依存している。LSPR波長を合金化により変化させるため、AuとAgの合金ナノ・ドットを作製した。AuとAgの合金層においても、Tiシード層を挿入することで、自己組織化が促進されることが判明した。また、それら合金ナノ・ドットのLSPR波長の変化を確認した。 3. 安価なシリコン酸化基板上でのナノ・ドットの作製- 単結晶基板を用いて得られた知見を基に、結晶性の良くない安価なシリコン酸化基板を用いて、AuやAg、及びAuとAgの合金ナノ・ドットの作製に成功した。 4. 多層化による磁性ナノ・ドットの作製と磁気特性- 積層回数を増すことで多層化した磁性ナノ・ドット(Pd/Fe/Ag/Fe/MgO(001))の作製に成功した。磁性材料をナノ・ドット化する(低次元化する)ことで、垂直磁気異方性(PMA)の増大を目指したが、ナノ・ドット同士の底面部での結合により、PMAの増大までには至らなかった。
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