2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24560876
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
安井 利明 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10263229)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 異材接合 / 接合・溶接 |
Research Abstract |
摩擦攪拌異材接合法は、部材の溶融を伴わずに高い接合強度を持った接合体を作製できる優れた接合法である。アルミ/鉄の突き合わせ接合では、アルミのみを接合ツールで攪拌するため、その接合メカニズムを理解するためには、アルミの塑性流動が接合界面に与える影響を明らかにする必要がある。今年度は、摩擦攪拌異材接合体の実用化に必須と考えられる以下の2つの課題、(1)塑性流動制御法確立、(2)接合界面状態の安定性評価に取り組んだ。 (1)の課題では、摩擦攪拌異材接合において接合線形状が塑性流動に与える影響をトレーサを用いた実験と模擬材料を用いた模擬実験により調査した。その結果、接合線形状によらずより接合体底部の方で材料流動速度が速いことを明らかにした。また、接合線の曲率の違いで材料流動速度が異なり、曲率が小さいほど適性な接合条件の回転ピッチの高くなることが示された。また、3次元数値シミュレーションによるアルミ/鉄の突合せ接合実験の解析を行い、各種接合条件・鋼種が接合特性に及ぼす影響を明らかにした。 (2)の課題では、まずツール挙動(接合速度、ツール形状など)が接合界面構造に及ぼす影響や材料流動ついて調査した。その結果、接合速度が低い接合体において接合界面近傍にAlとFeが積層を成す組織が発生し、その組織は接合方向に断続的に存在する場合があることが明らかとなった。その熱的な安定性を調査するため加熱実験を行い、接合界面構造が変化することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験計画で述べた2つの課題、(1)塑性流動制御法確立、(2)接合界面状態の安定性評価について、(1)についてはトレーサを用いた実験と模擬材料を用いた模擬実験、更に数値シミュレーションにより塑性流動制御のための基礎データを習得し、(2)についてはツール挙動の接合界面への影響とその熱的安定性について調査を行っている。 以上のように本研究の目的を達成するための実験が計画通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き、接合部材・接合法・接合条件を変化させて下記の実験を実施する。 1)摩擦攪拌異材接合法における塑性流動の制御法の確立 2)摩擦攪拌異材接合体における接合界面状態の安定性評価 更に、新しい塑性流動計測として下記の実験を実施する。 3)摩擦攪拌異材接合体の検査手法の開発
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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