2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24560876
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
安井 利明 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10263229)
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Keywords | 異材接合 / 摩擦攪拌接合 / 材料流動 |
Research Abstract |
摩擦攪拌異材接合法は、部材の溶融を伴わずに高い接合強度を持った接合体を作製できる優れた接合法である。アルミ/鉄の突き合わせ接合では、アルミのみを接合ツールで攪拌するため、その接合メカニズムを理解するためには、アルミの塑性流動が接合界面に与える影響を明らかにする必要がある。今年度は、摩擦攪拌異材接合体の実用化に必須と考えられる以下の2つの課題、(1)塑性流動制御法確立、(2)接合界面状態の安定性評価、(3)検査手法の開発に取り組んだ。 (1)の課題では、摩擦攪拌異材接合において接合線形状が塑性流動に与える影響を数値流体解析した。その結果、直線接合と比較して曲線接合では、接合界面の温度および圧力が低下しており、これらが継手強度にも影響していることを明らかにした。 (2)の課題では、接合時のツールプローブによる鉄表面の新生面創出機構とAlの接合機構を調査した。その結果、鉄表面においてネジ形状のプローブでは、ネジピッチに一致した溝が連続的に形成されていることとその溝部でのAlが強固に凝着していることが確認された。 また、熱的安定性の評価のために加熱試験と強度測定の実験を実施し、加熱による接合界面での化合物層の成長状態を調査した。 (3)の課題では、アルミ/鉄の接合界面構造の同定のために放射光を用いたX線回折による分析を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験計画で述べた2つの課題、(1)塑性流動制御法確立、(2)接合界面状態の安定性評価について、(1)についてはトレーサを用いた実験と模擬材料を用いた模擬実験、更に数値シミュレーションにより塑性流動制御のための基礎データを習得し、(2)についてはツール挙動の接合界面への影響とその熱的安定性について調査を行っている。 (3)については、実験設備の準備が完了し、試験的な分析を開始した。 以上のように本研究の目的を達成するための実験が計画通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き、接合部材・接合法・接合条件を変化させて下記の実験を実施する。 1)摩擦攪拌異材接合法における塑性流動の制御法の確立 2)摩擦攪拌異材接合体における接合界面状態の安定性評価 3)摩擦攪拌異材接合体の検査手法の開発
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Research Products
(4 results)