2014 Fiscal Year Annual Research Report
パワー半導体実装におけるナノテルミット反応接合法の開発
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24560883
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福本 信次 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60275310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 公三 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70135664)
松嶋 道也 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90403154)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 低温接合 / 半導体 / パワーデバイス / 金属間化合物 / 固液反応 / 熱応力 / 反応熱 / 接合メカニズム |
Outline of Annual Research Achievements |
省エネルギー社会において効率的な電力制御を担うパワーエレクトロニクス技術は今後ますます重要になることが予想される.そのためには現在主に用いられているSiパワー半導体からSiC等のパワー半導体まで見据えた開発が必要であり,高温動作に対応可能なダイマウント技術が求められている.そこで従来の高温はんだ付けに代わる方法として,接合時に複数の相を反応させる反応接合を行った. 本年度は,Ag-Sn系,Cu-Sn系に加えてZn-Sn系,Cu-Sn-Zn系のインサート層を用いてSiチップ/銅および銅同士の接合を行った.Zn-Snの2層薄膜を用いることでSiチップ/銅の接合が達成された.Sn/Znの量比が適切でない場合,接合層にZnリッチ層が形成し,そこが破断の起点となることが明らかになった.Sn/Zn/Cu/Snの4層薄膜を用いた接合では,Cu3Sn/Cu6Sn5界面で脆性的に破断が生じた.また,接合層がCu3Snと仮定した場合,Siチップ端部に発生する熱応力と被接合材のサイズの関係を有限要素法によって解析した.Siチップのサイズおよび厚さが増加するほど,チップ端部の主応力およびせん断応力が増加した.チップ端部に生じる熱応力に対して,Cu板の厚さの影響は小さいことが明らかになった.いずれにしても接合層がCu3Snのような高ヤング率かつSiやCuとの線膨張係数差が大きい材料の場合,接合時にチップ端部に熱応力が生じるため,本接合法の適用範囲はチップのサイズに依存することが明らかになった. 期間全体では,Cu-Sn系,Ag-Sn系,Sn-Zn系での接合を成功した.またAl-Znの共晶系でも接合を試行した.その接合過程を詳細に調べ,プロセスの最適化を図った.接合層の材料物性を測定し,熱応力解析へ反映した.一方,これらの系における反応熱は比較的小さいものであり,反応熱を積極的に利用した接合には至らなかった.Al-NiやTi-Al系の比較的反応熱の大きな系を利用した接合を続ける予定である.
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Research Products
(2 results)