2014 Fiscal Year Annual Research Report
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24560890
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| Research Institution | University of Hyogo |
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Principal Investigator |
山本 厚之 兵庫県立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70220449)
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| Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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| Keywords | 再結晶 / 圧延変形 / 転位セル / 粒成長 / 回復 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
Al-Mg-Si系合金について示した「再結晶粒は，転位セルがそのまま成長して形成される」ことを，工業用純アルミニウムおよび銅についても示すことによって，これが普遍性のある再結晶機構であることを示そうとしてきた．本研究期間において，上記２種類の金属材料およびAl-Mn系合金においても，同様に，変形組織中の転位セルから再結晶粒が形成されることを明らかにした．さらに，変形組織の形成過程についても注目し，80 %を超える圧下率まで，試料中の同一視野観察を行って，圧延に伴う方位の変化を解析した．その結果，多結晶試料中の一つの結晶粒は，圧延前の初期方位に応じた結晶回転を示すことが明らかとなった．そのため，別々の試料に別々の圧延変形を施した際に，同じ初期方位の結晶粒は同じ結晶回転を示すことが判った．この種の研究では，単結晶試料を用いた論文が多数報告されているが，単結晶を用いる必要はないことを明示した．
上記結晶回転の様相は，圧下率の増加につれて，初期方位を中心とする往復運動と，その結果生じる二つの方位への分裂で特徴付けられる．90 %程度の高圧下率で圧延を施すと，変形組織は，この二つの方位が混在した状態となる．最初に述べたように，再結晶粒の方位は，変形組織中の転位セルの方位であるから，これら分裂した二つの方位のうちのいずれかの方位となる．最終年度においては，これらのいずれかが，優先的に成長するかいなかを調べた．その結果，優先性は認められず，それぞれが成長して，似た方位の領域が形成された．この状態の集合組織と，変形組織の集合組織は，ほぼ一致した．これは焼鈍過程の極く初期である．その後，焼鈍を続けると，これら二つとは異なる方位の再結晶粒が成長した．この段階で集合組織は明確に変化する．これまで再結晶とされてきたのはこの段階であり，本来の再結晶は終了していることを明らかにした．
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