2013 Fiscal Year Research-status Report
アクティブスクリーンプラズマ窒化法を応用した軽金属材料への表面硬化処理
Project/Area Number |
24560896
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
西本 明生 関西大学, 化学生命工学部, 准教授 (70330173)
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Keywords | 表面改質 / プラズマ窒化 / アクティブスクリーン / 軽金属 / チタン合金 / 表面熱処理 |
Research Abstract |
本研究の目的は、アルミニウム、マグネシウムおよびチタン等の軽金属材料に対してアクティブスクリーンプラズマ窒化処理を行い、処理の可能性を探索することである。具体的には、スクリーンの材質、処理電圧、ガスの組成等を系統的に変化させてプラズマ窒化処理を行い、処理後の試料表面の組織、硬さ、摩擦・摩耗特性などを調べることによって最適の窒化処理条件を見出す。 (1) スクリーンの作製:ステンレス鋼、アルミニウムおよびチタンの板材からスクリーンを作製した。各種エキスパンドメタル材を購入し、その後スクリーンの大きさ、形状、穴の大きさおよび分布等を変化させて種々のスクリーンを作製した。 (2) 処理試料の準備:実験試料として、工業用純アルミニウム合金A1100およびチタン合金Ti-6Al-4V棒材を購入し、これらの棒材を精密切断機にて厚さ8 mmに切断後、研磨した。 (3) アクティブスクリーンプラズマ窒化処理:窒化処理は既存のプラズマ窒化装置(JIN-1S)を用いた。また本アクティブスクリーンプラズマ窒化では、絶縁のために陰極の試料台の上に絶縁性セラミックスを配置した。その後、処理温度、処理時間、窒素と水素のガス比を変化させて、作製したスクリーンを用いてアクティブスクリーンプラズマ窒化処理を行った。 (4) 特性評価:窒化処理後の試料の外観観察を行い、X線回折および組織観察、断面硬さ測定によって表面層の構造等を調べた。 (5) 成果発表および窒化に関する動向の調査:平成25年春には日本熱処理技術協会春季講演大会において、平成25年秋には日本金属学会秋期講演大会において成果を口頭発表した。さらに窒化に関する資料収集として、金属学国際会議(Metallograpy2013)ならびに第9回アジア・ヨーロッパプラズマ表面処理国際会議(AEPSE2013)に出席し、世界のプラズマ表面処理研究の動向を調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の実験に関しては、チタン合金のアクティブスクリーンプラズマ窒化に対するスクリーンの影響について、国内の学会で口頭にて成果発表できたため、おおむね順調に進展していると考えている。窒化に関する動向調査も順調に行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) アクティブスクリーンプラズマ窒化処理:平成25年度に得られた結果から,窒化処理温度およびガス組成のパラメータを絞り込み、詳細にアクティブスクリーン窒化処理を行う。 (2) 特性評価:窒化処理後の試料について、外観観察、X線回折、表面粗さ測定、走査電子顕微鏡による組織観察、摩擦・摩耗試験機による摩擦・摩耗特性等をより詳細に調査することにより、軽金属材料に対するアクティブスクリーンプラズマ窒化特性における緻密かつ硬質の皮膜が得られる最適な処理条件を明らかにする。 (3) 成果発表:秋に中部地方で開催される日本金属学会秋期講演大会ならびに九州地方で開催される日本熱処理技術協会秋季講演大会にて口頭による成果発表を行う。さらにドイツで開催される第14回国際プラズマ表面工学会議(PSE 2014)において、窒化に関する動向調査と成果発表を行う。論文発表として,「Materials Transactions」や「Surface and Coatings Technology」などの英文誌に投稿する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
712,620円の次年度使用額が生じたが、これは平成25年度の実験が概ね順調に進行したことにより、消耗品の購入が当初見込みより少なかったことと人件費・謝金を使用しなかったことによる。 次年度使用額の使用計画としては、以下のとおりである。 物品費として研磨紙、埋込み用樹脂、切断砥石等の消耗品費を、さらに人件費・謝金として大学院生による研究補助の謝金を予定している。
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Research Products
(2 results)