2012 Fiscal Year Research-status Report
複合化高圧ジェットミル法による微粒子を応用した膜創成技術
Project/Area Number |
24560903
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toyama Industrial Technology Center, |
Principal Investigator |
岩坪 聡 富山県工業技術センター, その他部局等, 研究員 (30416127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 清 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30134258)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 粒子 / 粉砕 / ジェットミル / ビーズミル / 複合 / 微粒化 / アルミナ |
Research Abstract |
ビーズミル法と高圧ジェットミル法により、アルミナなどの微粒化処理を行った。ナノ粉砕におけるそれら方式の特徴を調べ、複合化された場合の可能性について検討した。使用したアルミナは、α構造の凝集体と焼結体(球状、板状)を用いた。統計的な粒子径はレーザー粒度分布計で求め、個々の粒子構造はFE-SEM、TEMなどを用いて評価した。 (1)ビーズミル法による微粒化処理:0.5 mmのアルミナビーズと0.1 mmのジルコニアビーズを用いて、アルミナの粉砕処理を行った。0.1 mmのビーズを用いた場合のみ、200 nmまでの粉砕が可能であった。この時、スラリーには大きな粘度の上昇が見られた。得られた粒子のTEMとFE-SEM観察を行ったところ、その粒子形態は角張っており、粒子表面に粉砕粉などが凝着していた。条件によっては粒子表面に数nmの非晶質層があった。 (2)高圧ジェットミル法:凝集体は200 nmまで粉砕可能であったが、焼結体は数μ以下の粉砕は不可能であった。処理された粒子表面は滑らかで、ビーズミルのような凝着物はなかった。以上のことからビーズミル法でナノ粉砕を行い、その後粒子に生成する凝着物をジェットミルで除去する複合プロセスにより、結晶性に優れ、不純物の少ない微粒子が生成できる可能性が示された。これらの複合化により得られるスラリーで膜を生成すれば、緻密な構造になることが期待できる。 上記2点の項目を、コア・シェル型複合粒子についても検討した。 電極構造の異なる電極放電型と電界集中放電型の2種類の装置を試作し、液中プラズマを用いたナノ粒子作製を行った。電極放電型では、金属ナノ粒子などを試作した。作製される粒径には時間依存性があり、径が数十nm以下の高濃度溶液を得るには、超遠心技術との併用が必要であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ビーズミル法では、ビーズ径、比重と加速度に関連する回転数が重要で、さらにナノ粉砕を行うには再凝集を防ぐ必要もあることから、厳密な条件出しが必要であった。一方、高圧ジェットミル法はビーズミル法に比べソフトな粉砕であるが、粒子表面をクリーニングできる特長があることが分かり、それら処理を複合化した場合の利点が示された。また、単純構造のナノ粒子に加え、コア・シェル型などの複合粒子の微粒化が求められてきている。このための処理方法として、非接触の高圧ジェットミルが有効であると考えられた。この点に関する検討を行い、高圧ジェットミル法が適していることを示すことができた。 電極構造の異なる液中プラズマの反応容器と電気回路を試作し、粒子合成と評価の段階に進むことができた。金属ナノ粒子の試作を行い、その応用に関しても検討した。微粒子を応用した膜作製に関して、当初の計画を予定どおり完了できる。
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Strategy for Future Research Activity |
ビーズミル法と高圧ジェットミル法と組合せて、アルミナなどセラミックス粒子を微粒化する。両者のプロセスの複合化による特長を明らかにして行く。具体的には、処理回数を増加させた場合の粒子径と形態の評価を行う。複合化の特長を明らかにしアルミナなどのナノサイズの微粒化を検討する。 液中プラズマによるアルミナ粒子の作製実験を行う。この方法でαアルミナ粒子が生成できない場合は、複合化高圧ジェットミル法のものをベースに、微粒化されたナノ粒子による結晶性に優れた膜作製法の応用研究を進める。この場合、液中プラズマ処理は表面結晶性の改善やナノ粒子の表面修飾などの表面改質手法として使用する。さらに、液中プラズマによる金属ナノ粒子に関しては、デバイスなど各種応用を検討して行く。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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