2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24560905
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
及川 勝成 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70356608)
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Keywords | 超磁歪 / 単結晶 / ミクロ組織 / 偏析 |
Research Abstract |
マイクロ引下げ用高周波炉を用いて,デバイスサイズの超磁歪単結晶を高速に育成するための最適条件について検討している.昨年度は,Fe-Tb-Dy3元系合金で,カルシアル ツボとアルミナルツボを使用し,マイクロノズル径2mm, Ar+5%H2雰囲気,引下げ速0.5mm/minで結晶を育成し,約150mmの結晶がえられた.結晶の長手方向の成分偏析度をEPMAで測定した結果,Fe, Tb, Dyの組成は,平均組成から数%ずれているだけであり,成分的に均一な組成の結晶を得ることに成功した.これらの結晶の磁歪を測定したところ,カルシアルツボで作製したものは,良好な磁歪特性を示したが,アルミナルツボで作製したも のは,磁歪特性が劣化していた.また,ミクロ組織を幾つかの断面で観察したが,結晶粒界はみられなかった.更に,TEMで組織観察 を行ったが,双晶もみられず,単結晶であることが確認できた. 本年度は,昨年度最適化した育成条件に基づいて,Zrを添加した合金のワイヤー状単結晶を作成を行い.Zr添加の最適量について検討を行った.その結果,Zr添加量が0.05までは,Zr添加とともに磁歪量が大きくなる傾向がみられ,最大の飽和磁歪量が1600ppmにもなった.しかし,それ以上の添加では,磁歪量が著しく低くなることが明らかとなった.TEM, X線回折によるミクロ組織観察を行った結果,Zr添加量が0.05以下では良好な単結晶が得られ,また,磁歪を阻害するFe3TbDyの量が減少していることが確認された.一方,0.05より多く添加した場合は,多結晶化しており,また,著しくZrが偏析していることが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
Fe-Tb-Dy合金へのZr添加の影響を調査したが,Zrを添加しても育成条件を大きく変化することなく,デバイスサイズの結晶を育成でき,最適Zr量が明らかになっただけでなく,その原因についても明らかにできた.
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Strategy for Future Research Activity |
Zrを添加することにより,磁歪量のすぐれた結晶を得ることに成功している.組織学的には,磁歪と関係ないFe3TbDyやZr偏析を減少させることが,更なる高磁歪量化に有効であると考えられる.そこで,熱処理によるミクロ組織改良を試みる.そのため,本年度は,様々な条件で熱処理を行い,組織変化と磁歪量変化を調査し,最適熱処理条件を明らかにするとともに,そのミクロ組織学的な因子について明らかにする.
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Research Products
(1 results)