2014 Fiscal Year Annual Research Report
異周速圧延法によるチタン板材の集合組織制御と高性能化
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24560915
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
黄 新ショウ 独立行政法人産業技術総合研究所, 構造材料研究部門, 主任研究員 (80415679)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 異周速圧延 / 純チタン / 組織制御 / 成形性 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、異なる純度の純Ti(JIS 1種、2種、3種)の等速圧延材と異周速圧延材の機械的特性および引張変形中の組織変化を調査した。 純Tiの等速圧延材と異周速圧延材は、純度の低下に伴って(JIS 1種、2種と3種の順に)強度が増大した。一方、延性は悪化した。圧延方向に対して0°、45°、90°の方向に引張試験を行った結果の平均値に注目すると、純度の低下に伴い、引張強度は261MPaから539MPaまで、耐力は138MPaから428MPaまで向上した。一方、破断伸びは71%から32%に、均一伸びは37%から12%に低下した。また、純度の低下に伴い、r値は9から5に、n値は0.19から0.13に低下した。なお、純Ti圧延材の機械的特性の面内異方性は、材料純度の低下に伴って低減した。 異周速圧延材と等速圧延材の特性(強度、伸び、r値とn値)の平均値を比較した結果、双方に顕著な差は見られなかった。一方、異周速圧延材は、比較的等方的な集合組織を示すため、面内異方性に関しては等速圧延材よりも小さい値を示した。JIS 2種異周速圧延材はJIS 1種等速圧延材に比較して同等の張出し成形性を示した。一方、引張強度と耐力は、JIS 2種異周速圧延材の方が高い値を示した。異周速圧延材は比較的に等方な集合組織を示し、耐力とr値の面内異方性が相対的に低いため、純度が低い材料においても優れた張出し成形性が発現したと考えられる。 次に、9%の引張歪みを加えた純Ti圧延材を対象として、EBSDを用いた組織解析を行った。JIS 1種合金には、85°引張双晶と65°圧縮双晶が同程度に発生し、JIS 3種合金には85°引張双晶が主に発生した。引張変形に伴う顕著な集合組織変化は確認できず、面内異方性は引張変形前後で大きく変化しないことが示唆された。
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