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2012 Fiscal Year Research-status Report

新規温度応答性分離膜の開発-膜透過可能な分子サイズの温度による制御-

Research Project

Project/Area Number 24560916
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionAkita University

Principal Investigator

村上 賢治  秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10272030)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords温度応答性 / 分離膜 / 感温性高分子 / 分子ふるい / 有機無機複合体
Research Abstract

本年度はガラス繊維ろ紙に感温性高分子(ポリN-イソプロピルアクリルアミド,PNIPAM)を固定化した温度応答性膜を合成し,膜透過装置の製作及びメチルオレンジ(MO)膜透過速度の温度依存性を検討した。ガラス繊維ろ紙はPNIPAMの支持体として使用し,これにPNIPAM固定化のための足場としてシランカップリング剤を反応させた。その後,窒素雰囲気下でNIPAMのラジカル重合反応を行った。PNIPAM固定化後のフィルターのFT-IRスペクトルには,PNIPAMに特徴的な吸収が現れた。また,フィルターの重量は20~30%増加した。これらのことから,フィルター上にPNIPAMが固定化されたことが明らかとなった。この温度応答性膜を仕切りとして2室(原料供給室,透過室)に分離し,それぞれの室に溶液を流通させることができる膜透過装置を作製した。膜透過実験の条件は供給側と透過側のMO初濃度をそれぞれ100と0ppm,水溶液の流速0.5L/min,水溶液の温度は25又は40℃とした。透過側のMO濃度はフローセルを取り付けたUV-Visで連続的に測定することで定量された。純粋なガラス繊維ろ紙のMO物質移動係数は約2.1×10-7 m/sであった。温度応答性膜を使用した場合,温度によって物質移動係数は異なった。PNIPAMの相転移温度(約32℃)より高い40℃では物質移動係数は約2.3×10-7 m/sで,純粋なガラス繊維ろ紙とほぼ同様の値を示した。一方,低温である25℃では約2.0×10-8 m/sと小さな値を示した。以上の結果は,PNIPAMが温度に応答して体積変化し,相転移温度より高温では体積収縮により高分子鎖間の空隙が広がり,MOが透過しやすく,相転移温度より低温では体積膨張により高分子鎖間の空隙が狭まり,MOが透過しにくくなったことを示していると考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

本年度に実施を予定していた多孔質ガラス薄膜の製造については,市販のガラス繊維ろ紙を使用したところ,本研究の用途のためにはこれで十分であることが分かったため,実施しなかった。一方,ガラス繊維ろ紙上への感温性高分子の固定化はシランカップリング剤を使用することで達成可能であることを明らかにした。本年度後半からは平成25年度に実施予定であった膜透過装置の製作及び膜透過実験にも着手できており,当初の計画以上に進行している。

Strategy for Future Research Activity

平成25年度はガラス繊維ろ紙上に固定化する感温性高分子の相転移温度の制御を行う。具体的には架橋剤の添加,他のモノマーとの共重合を行い,これらの量や種類がPNIPAMの相転移温度にどのような影響を及ぼすか検討する。また,現在は平面ろ紙上へのPNIPAMの固定化を行っているが,管状の多孔質支持体上へのPNIPAM被覆も試みる予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

該当なし

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 感温性ゲートを有するメソポーラスシリカの合成と分離膜への応用2012

    • Author(s)
      木村瑠璃子,村上賢治,加藤貴宏,菅原勝康
    • Organizer
      平成24年度化学系学協会東北大会
    • Place of Presentation
      秋田大学
    • Year and Date
      20120915-20120916

URL: 

Published: 2014-07-24  

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