2013 Fiscal Year Research-status Report
イオン液体の液体膜による空気中の水蒸気・二酸化炭素・VOC蒸気分離法の開発
Project/Area Number |
24560918
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊東 章 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (50151494)
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Keywords | 液体膜 / イオン液体 / 二酸化炭素 / 除湿法 / 膜分離 |
Research Abstract |
1. 膜モジュールの製造性と耐久性 30 cm角平膜モジュールの構造を決定し,20個を製作した。真空側流路の多孔質板にはPP焼結多孔質板を特注し,膜の支持とSweepAirの圧力損失低減を両立させた。この膜モジュールとイオン液体膜の組み合わせにより,500時間以上の膜の長時間耐久性を確立した。 2.実用試験 (A)炭酸ガス濃縮空気供給装置のフィールドテストについては南極観測基地での試験が終了した。その結果,ジグリコールアミン液体膜の耐久性と膜モジュールのモレに問題点が指摘された。なお,これらの問題点は膜モジュールの改良と液体膜成分および液体膜保持法の改良により解決された。これとは別に某社において温室に付属させてのテストがおこなわれた。この結果,炭酸ガス濃縮性能は所期のものが達成できたが,経済性についての問題点が指摘された。この点は本研究内では解決できないことである。 (B)液体膜除湿装置のフィールドテストについては,研究室内にて長期間のテストをおこなうことでこれに代えた。その結果,イオン液体を用いることで,従来のトリエチレングリコール液体膜に匹敵する性能が示された。イオン液体の種類についてはあわせておこなった吸湿性の測定結果から,もっとも吸湿性の大きいemimESUイオン液体を用いることで,最大の除湿効果が得られた。イオン液体膜に塩化リチウムなどの吸湿性塩を混入することも試みた。この方法により除湿性能が若干改善されることが見いだされた。(C)空気中のVOC成分の除去については,チャンバー試験をおこない,有機蒸気の除去性能が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
膜モジュールの改良,液体膜成分の耐久性の改善など,順調に達成している。また,当初計画のフィールドテストも長期間のテストを実施中であり,計画の達成に期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画どうり,液体膜の性能改良とフィールドテストを実施する。
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