2012 Fiscal Year Research-status Report
ナノセンシング技術による固体表面への汚れの付着脱離キネティクスの解析
Project/Area Number |
24560919
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
萩原 知明 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 准教授 (20293095)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 洗浄 / 付着 / 水晶振動子マイクロバランス法 / 食品汚れ / β-ラクトグロブリン / ステンレス鋼 / アレルゲン |
Research Abstract |
本研究では、洗浄水量削減技術の開発の一助となることをめざして、ナノセンシング技術である水晶振動子マイクロバランス法(QCM)を駆使して、食品・医薬製造装置の主要な汚れ成分(タンパク質、微生物)の固体表面に対する付着および脱離の速度論(キネティクス)を解明することを目的としている。 平成24 年度は代表的な医薬・食品汚れとして、乳由来タンパク質であるβ-ラクトグロブリンを用い、水溶液中の汚れの付着にともなう質量変化過程の経時変化および洗浄操作にともなう脱離過程の経時変化を把握することを目指した。β-ラクトグロブリンは乳製品製造装置に付着する汚れの主成分であること、乳アレルギーの原因物質であることか ら、その洗浄除去に大きな関心が持たれている。付着固体表面としては、食品製造装置の素材として一般的に用いられているステンレス鋼を用いた。ステンレス鋼表面の前処理(10%SDS溶液洗浄→ピランハ溶液による洗浄→0.1MNaOH洗浄→50℃乾燥)を工夫することにより、β-ラクトグロブリン付着時の質量増加および洗剤添加時のβ-ラクトグロブリンの脱離時による質量減少をリアルタイムで測定でき、付着量および脱離量の経時変化を定量的に解析することが可能となった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
タンパク質の付着時の質量増加および洗剤添加時のβ-ラクトグロブリンの脱離時による質量減少をリアルタイムで測定し、付着量および脱離量の経時変化を定量的に解析することが、平成24年度の主要な目的であった。これが、達成できたため、おおむね順調に進展していると評価をした。
|
Strategy for Future Research Activity |
タンパク質の付着・脱離に関する検討を継続するとともに、微生物(大腸菌等)の付着にともなう質量変化過程の経時変化および洗浄操作にともなう脱離過程の検討も実施する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費780,000円、旅費130,000円、人件費・謝金40,000円、その他の経費50,000円を計上している。 物品費は、実験実施に必要な消耗品の購入にあてる(QCM測定用の分離型水晶振動子(10枚一組168,000円;1枚で数回測定可能)、試薬、プラスチックまたはガラス製器具)。 旅費は、情報収集および成果発表のための学会参加するための旅費にあてる。 人件費・謝金は、実験補助ならびに関連文献の調査補助を行う人に支払う経費である。 その他の経費は、成果をホームページを通じて公表する際のコンテンツ製作料ならびに、通信配送料にあてる。
|