2014 Fiscal Year Annual Research Report
環境調和型プロセスの実現を目的としたゼオライト膜の構造制御
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24560927
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
熊切 泉 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (20618805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 一宏 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (30188289)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 膜分離法 / ゼオライト膜 / 結晶成長 / 脱水 / エステル交換反応 / 反応分離 / ガス分離 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、A型、FAU型、SOD型、MFI型ゼオライト膜の合成法を検討し、異なる合成条件で得られた膜の性能や構造の比較を行うことで、より高性能な膜の合成指針を検討した。 たとえば、FAU型ゼオライトはメタノールが透過できる大きな細孔を持ち、非水系分離や、エステル交換反応との複合化が期待できる。FAU型ゼオライト膜を作成時に、従来の定温での水熱合成(100℃、または、140℃)に代えて、合成温度を高温(140℃)から合成途中で低温(100℃)に降温することで、膜の分離透過性能が大きく向上することを見出した。この結果は論文として発表した。また、FAU膜は高いメタノール選択透過性(メタノール10wt%-メチルメタクリレート90wt%の混合溶液から、透過流束>1.5 kg m-2 h-1、分離係数>3000)を示し、非水系分離やエステル交換反応への応用が期待できる。この結果は論文として発表した。 MFI型ゼオライト膜を、3種類の異なる合成法を用いて膜を作成し、透過分離性能や構造を比較した。種結晶の担持方法として、従来の機械的な担持に加えて、支持体表面での不均一核発生を利用した手法を試みた。両者ともに、水選択透過性を示す膜が得られたが、種結晶のサイズによって水の選択性に極大値があることがわかった。また、極めて高い水選択性(水10wt%-エタノール90wt%の混合溶液から、透過流束>1kg m-2 h-1、分離係数>1000)を示すMFI型膜中にはA型やFAU型ゼオライトと同様に数nmの大きさの結晶間隙が多量に存在していることが分かった。これらの結果から、吸着性が支配的な分離では、積極的に結晶間隙を作ることで、透過性の向上が見込まれる。
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Research Products
(7 results)