2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24560929
|
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
松隈 洋介 福岡大学, 工学部, 教授 (70282241)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 液滴 / 濡れ性 / 多孔体 |
Outline of Annual Research Achievements |
液滴の多孔体への浸潤現象は、インクジェット印刷や塗装処理などの様々な工業用途で見られ、そのメカニズムの解明は、種々の分野における応用技術につながると期待されている。本研究では、多孔体内部への液体の浸潤過程のメカニズムを調べるために、ガラスビーズを焼結した多孔体に、粘度の異なるシリコンオイルを滴下し、その浸潤過程を実験により測定し、格子ボルツマン法を用いた計算と比較した。平成26年度は、粘度が 0.32~0.54 Pa・s、粒径が64μm~335μmまでの体系で実験を行った。その結果、液滴の高さの時間変化は、初期液滴高さと液滴高さが半分になるまでの時間で無次元化することにより、粒径および粘度に関係無く、ほぼ一つの曲線で整理することができた。また、浸潤速度は粒径の1/3乗に比例し、液体の粘度に反比例することが示された。この結果を格子ボルツマン法の浸潤計算と比較した。計算は、矩形の容器内に離散要素法を用いて均一系の粒子を充填して多孔体を作成し、その上においた液滴が多孔体へと浸潤していく様子を計算した。液滴は、多孔体内の空隙が大きい箇所を選択的に移動しながら浸潤していく様子が計算できた。また、液滴高さと液滴幅の時間変化と比較したところ、両者は良い一致を示したことから、解析モデルの妥当性を確認した。さらに、計算手法を見直し、並列化により適したアルゴリズムを採用したところ、計算時間を短縮できた。
|
Research Products
(1 results)