2014 Fiscal Year Annual Research Report
金ナノロッドの光熱変換を高感度機能素子とする生体高分子膜の調製と透過特性の制御
Project/Area Number |
24560934
|
Research Institution | Nara National College of Technology |
Principal Investigator |
直江 一光 奈良工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (00259912)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西野 悟 奈良工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (20413817) [Withdrawn]
今井 正直 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (80193655)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 膜分離 / 金ナノロッド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、金ナノロッドを導入した温度応答性ポリマー層を有する生体高分子膜を調製し、近赤外光による透過特性の自由な制御を可能にする高効率膜分離プロセスの構築を目的とした。 そこで、最終年度では以下の項目について研究を実施した。 前年度に調製した熱応答性ポリマー膜への金ナノ粒子集合体固定化膜の調製条件の最適化を行った。まず、近赤外波長領域に吸収を有する金ナノ粒子の調製条件についてさらなる検討を行った。金ナノ粒子集合体は微水分散系を安定化する働きがあることが明らかとなった。また、調製時に金属イオンを添加することにより、様々な吸収特性を有する金ナノ粒子の調製が可能となり、近赤外波長領域の最大吸収波長を自在に制御することに成功した。得られた金ナノ粒子を電子顕微鏡で観察したところ、ロッド状の金ナノ粒子であった。また、近赤外波長レーザーを照射することにより光熱変換を確認した。得られた金ナノ粒子を熱応答性ポリマー膜へ固定化し、近赤外レーザーを照射したところ、膜温度は上昇し、光熱変換が可能なポリマー膜の調製に成功したことを確認した。 そこで、前々年度に構築した近赤外レーザー照射機能付き膜透過性測定システムを用いて、金ナノ粒子固定化熱応答性ポリマー膜の透過特性評価を行った。透過液としてアルコールを使用してレーザー光照射膜透過実験を行ったところ、照射により透過速度が上昇することを確認した。さらに、照射及び無照射を繰り返すことにより、照射による膜透過のスイッチ制御に成功した。 このように本研究では、近赤外波長領域に吸収を有する金ナノ粒子を調製し、それらを固定した熱応答性ポリマー膜を作製して、光による透過特性の自由な制御を可能にする膜分離プロセスの構築の基礎となる重要な知見を得た。
|