2013 Fiscal Year Research-status Report
Quality by Designのためのバッチプロセス制御の高度化
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24560936
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
関 宏也 東京工業大学, 資源化学研究所, 准教授 (70422524)
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Keywords | プロセス制御 / バッチプロセス / 工業晶析 / 最適化 |
Research Abstract |
初年度に引き続き、バッチ冷却晶析の粒径制御を研究対象とし、計算機シミュレーションによる研究を継続した。本年度は、結晶成長・溶解速度に粒径依存性がある系について詳細な検討を行った。 結晶成長・溶解速度に粒径依存性がある場合について、バッチ終了時の微結晶量を最小にする操作温度プロファイルを昨年度の研究で導出した。この最適温度プロファイルは、頻繁に温度を上昇・下降させるプロファイルであるが、モデル誤差や操作条件の変動にがあった場合、晶析温度を上昇させた際、温度を上昇させすぎて種結晶を完全溶解させてしまうおそれがあり、ロバスト性に劣ることが見出された。そこで、モデル誤差や操作条件の変動を考慮に入れた、ロバスト最適な温度プロファイルの導出を行った。最適化計算にPSO(Particle Swarm Optimization:粒子群最適化)を用い、ロバスト性を考慮するためにPSOアルゴリズムに改良を加えた。最適化の繰り返し計算の際、ランダムにモデル誤差を発生させた複数のケースに対して評価関数を計算し、その平均を評価関数値として採用する方法(AMPSO)を開発した。得られたプロファイルのロバスト性をモンテカルロ・シミュレーションにより評価した結果、種結晶の完全溶解を回避しつつ、微結晶量を低減化できることが見出された。 また、最適化計算を実施するにあたり、ロバスト性を考慮するために計算負荷が増大するため、複数のGPU(Graphic Processing Unit)を用いるなどして、計算時間の短縮化を図った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
あらたな課題として昇温操作時のロバスト性を考慮する必要性が生じ、ロバスト最適な操作プロファイルの導出に注力したため、平成25年度に行う予定であった“シナリオベースのフィードバック制御系の設計”の検討を十分に行うに至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度の研究成果(ロバスト最適な温度プロファイル)をベースに、シナリオベースのフィードバック制御系の設計および評価を行う。評価結果をもとに、設計法の精密化を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
参加予定の国際学会の予定変更により未使用研究費が生じた。 成果発表のため、追加で国際学会への参加を計画する。また、GPUの追加導入により、計算機環境の更なる向上を図る。
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Research Products
(4 results)