2013 Fiscal Year Research-status Report
原料や装置特性の変化および不確定性を考慮した仮想計測技術の開発
Project/Area Number |
24560940
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加納 学 京都大学, 情報学研究科, 教授 (30263114)
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Keywords | 仮想計測技術 / プロセスデータ解析 / ソフトセンサー / 局所PLS / グレイボックスモデル / モデル化 / 不確定性 / ブートストラップフィルター |
Research Abstract |
リアルタイム計測が困難な製品品質のフィードバック制御を可能にするためには,プロセスの運転状態から品質を推定する仮想計測技術が重要となる.本研究では,原料や装置特性が変化する場合,およびそれらに不確定性が存在する場合でも,高精度な推定が行える仮想計測技術を開発し,実際の操業データを用いてその有用性を実証することを目的としている. 本年度は,「不確定性の取り扱い」について研究開発を進め,前年度に開発したグレイボックスモデル(物理モデルと統計モデルを統合したモデル)とブートストラップフィルターを併用することで,推定したい変数の確率分布を求める方法を開発し,鉄鋼製造プロセスの操業データを用いた検証を実施した.具体的には,安定操業の実現に向けて,連続鋳造設備のタンディッシュ内溶鋼温度を目標値に一致させるように二次精錬終了時温度を調節するシステムを構築するために,タンディッシュ内溶鋼温度の確率分布を推定するシステムを開発した.さらに,導出する確率分布に基づいて温度推定値の信頼性も評価できることを確認した. また,「原料や装置特性の変化への対応」について研究開発を進め,開発した局所PLSの産業応用を目指して,半導体製造プロセスの操業データを用いた検証を実施した.その結果,従来型の非線形モデル構築手法や逐次更新型モデル構築方法に比べて,局所PLSを用いることで,製品特性推定精度が向上することを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実施計画通り,不確定性の取り扱いに関する検討と産業応用を目指した検証を実施した.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の実施計画通り,これまでに開発した手法の改良と検証を繰り返し,仮想計測技術の完成を目指す.特に,最終年度となる平成26年度は,実際の製造設備の操業データを用いた検証にとどまらず,実用化を目指した技術開発を産学連携の枠組みで進めていく.さらに,研究成果の発表にも努める.
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