2015 Fiscal Year Annual Research Report
電場の効果を強化した高速解乳用マイクロリアクターの研究開発
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24560943
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
武藤 明徳 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00174243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳本 勇人 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (70405348)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 交流電場 / 比誘電率 / 有機溶媒 / 電解質 / イオン強度 / W/Oエマルション |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度の研究において,交流電場による解乳化は有機溶媒の種類の影響を受けることが明らかになった。本年度は,比誘電率が異なりさらに鎖状脂肪族,環状脂肪族,および芳香族のように分子構造も異なる7種類の有機溶媒(エチルベンゼン、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、シクロヘキサン、n-ヘキサン)を使って,エマルジョンを調製し,解乳化への影響を調べた。また、ソルビタンモノオレエート(SPAN80)界面活性剤として使用し、水相に溶解させた電解質としては,塩化カリウムまたは塩化カルシウムを添加し,解乳化に与える効果も調べた。 その結果,(1)有機溶媒の種類, (2)エマルジョンを構成する有機溶媒の体積分率, (3)水相に溶解した電解液のイオン強度が,解乳化率に及ぼす影響を明らかにした。
主な結論を以下に示す。(1)交流電場の電場の変位の形式としては,矩形波の方が正弦波よりも有効であった。これは、解乳化において,電場の大きさと方向の変化が激しい方が解乳化プロセスに重要であることを示唆している。(2)7つのすべての有機溶媒において,解乳化率は油相体積分率の変化に対して劇的に変化した。(3)有機溶媒の比誘電率が大きいほど,解乳化が促進された。(4)解乳化率は、水相のイオン強度の影響を受けた。これは、電解質の溶解が水相の誘電分極の増大させたためと思われる。また,塩化カルシウムの方が塩化カリウムと比べて,より小さなイオン強度で解乳化を促進させた。(4)交流電場を利用した解乳化は拡散法によるエマルジョンの構造とよい関連づけができ,W / O型エマルジョンに有効であることが明らかになった。
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