2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24560946
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
奥村 和 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30294341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片田 直伸 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00243379)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | パラジウム / 金 / USYゼオライト / Heck反応 / 部分酸化反応 |
Research Abstract |
今年度はPd/USYを触媒としたHeckカップリング反応により、バッキーボウル型分子の合成をおこなった。溶媒・前処理・反応時間等の条件を最適化することにより、収率約60%でバッキーボウル型分子を合成することができた。繰り返して反応をおこなったところ、10回使用後にもPd/USY触媒は活性を示し、不均一触媒の特徴がみられた。一方、USYゼオライトを触媒とした金触媒の研究もすすめた。Au/USYを水素雰囲気中で加熱したところ、直径約2 nmの金ナノ粒子が生成することを見出した。この金ナノ粒子は700℃でも平均直径3.8 nmのサイズを保ち、金/USYゼオライトの耐熱性が非常に高いことを明らかにした。さらにUSYゼオライトとPdなどの貴金属を物理混合し、約900℃で熱処理することで、Pdが自発的に高分散化することを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度ではPd/USY触媒が実用性の高いバッキーボウル型分子の合成に高活性を示し、繰り返し利用も可能であることを見出した。さらに、USYゼオライトを担体として極めて耐熱性が高く、アルコールの部分酸化反応に高活性を示す金ナノ粒子を調製できたこと、およびパラジウムとUSYゼオライトを物理混合し、空気中で加熱することでパラジウムが高分散化することを見出したことから、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は第一原理計算および密度汎関数計算により、金属または金属酸化物とゼオライト酸点の強い相互作用の発現理由を解明する予定である。また、既にパラジウムなどの金属をUSYゼオライトと物理混合し高温で焼成するとパラジウムが自発的に高分散化することを見出している。平成25年度ではパラジウムの高分散化のメカニズムを明らかにすると共に、パラジウムの粒子径と触媒活性との相関を明らかにする予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度にB-A=278,957円が生じたのは、金属分散度測定装置を購入しなかったためである。本年度は窒素吸着測定装置にガス配管等を施すことで、金属分散度を測定する計画を立てている。当該助成金はこのための金属配管・ガスの購入に充てる予定である。その他の消耗品として、試薬・ガラス器具等の購入にあてる。旅費は学会や大型放射光施設での実験のために使用する予定である。
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