2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24560946
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
奥村 和 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30294341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片田 直伸 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00243379)
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Keywords | ゼオライト / パラジウム / 金 / ナノ粒子 / 部分酸化反応 / 鈴木カップリング反応 |
Research Abstract |
本年度はパラジウムおよび金の自発的高分散化によるナノ粒子生成について研究した。 パラジウムについては、Pd単体粉末と超安定Y(USY)型ゼオライトを混合し、900-950℃で熱処理することで、ナノ粒子が生成することを見出した。PdとUSYゼオライトを混合し熱処理した試料の赤外吸収スペクトルを測定したところ、ゼオライトのOH基の強度が減少していたことから、PdとH+の交換によってPdが高分散化したものと考えられる。高温で熱処理した試料ほど鈴木カップリング反応に高活性を示し、Pdの粒子径と触媒活性に相関が見られた。 金については金錯体とゼオライトなどの酸化物を乳鉢で物理混合し、水素雰囲気中で熱処理することによって直径約3 nmの金ナノ粒子が生成することを見出した。ナノ粒子の生成にはCeO2などの塩基性を有する担体とNaYゼオライトが有効であった。NaYゼオライトを単体として使用した場合には、金錯体に含まれるClとNaYゼオライトのNa+イオンが反応することでNaClが生成すると同時に金がNaYゼオライトの外表面上に高分散することがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度では新たに物理混合法によってパラジウムおよび金ナノ粒子を調製するという新しい方法を見出した。また、量子化学計算によってゼオライト中での原子状パラジウムの生成過程の解析を進めており、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
物理混合法によって調製したパラジウムおよび金ナノ粒子の触媒作用についてさらに検討する。パラジウムで見出されたような原子状の活性種は、原子1個で機能する触媒であり、配位子が存在していないことから、従来にはない触媒作用を示す可能性がある。今後はパラジウム以外の元素でも原子状触媒が生成しないかという点を検討する。さらに計算化学を併用した検討により、ゼオライトなどの酸化物と金属種との相互作用の本質について解明する予定である。
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