2013 Fiscal Year Research-status Report
ナノ構造触媒を用いた低圧BTLプロセスによる高品質自動車燃料合成の研究開発
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24560950
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
黎 暁紅 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (30326459)
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Keywords | BTL / 三元ハイブリッド触媒 / FT合成 / WGS触媒 / ナノ構造触媒 |
Research Abstract |
本研究は、木質系バイオマスをガス化して得られた合成ガス(一酸化炭素と水素の混合ガス)から低い反応圧(1.0 MPa以下)で高オクタン価を持つ自動車燃料(C5~C9イソパラフィン)を直接製造するBTLプロセスのための新規の高性能触媒と製造プロセスを開発することを目的としている。今年度では、FT合成反応に活性の高いCo系触媒、Fe系のWGS触媒、βゼオライト系の水素化分解触媒の三元ハイブリッド触媒の検討を行った。基本的なコンセプトは、バイオマス由来の合成ガスにおいて、H2とCOのモル比は約1/1であり、炭化水素(CH2)への変換には2/1の合成ガスが必要であるため、一部のCOを水性ガスシフト反応を行い、水素を補足する。プロセスは、合成ガスをCo系触媒上にFT合成反応させ、炭化水素と水蒸気が生成する。生成した水蒸気をFe系触媒上にCOと反応して、水素を製造する。また、この水素がFT合成反応と水素化分解反応に必要な水素を補足することができる。その結果、①、従来の含浸法で調製したCo系触媒に、ZrO2を添加することより、ZrO2がCo粒子間に存在することでCoの高分散状態となり、FT合成における触媒の活性が2割位向上した。また、Co粒子のシンタリングを抑制し、触媒の安定性の向上にも効果がある。②、①で開発したFT合成触媒に沈殿鉄をハイブリッドさせることで反応系の水素の含有率が大きく向上し、さらに沈殿鉄にPdを添加することでWGS機能が2倍に向上した。③、ゼオライト量を増やすことでガソリン留分の収率が向上し、活性安定性にも寄与した。④ハイブリットさせる粒子のサイズが小さい方がワックスの分解・拡散速度を速め、活性の安定性の向上ができる。担体の外表面近傍に選択的に活性金属を担持させたエッグシェル触媒を用いることで、含浸触媒で問題であった重質炭化水素の触媒への残留を解決した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画の通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
確立した三元触媒の組成を基づいて、触媒の最適化研究を行う。①、ゾル・ゲル法より、エッグシェル型のCo/ZrO2/SiO2系FT合成用触媒を調製し、反応テストする。②、沈殿法より活性炭に高分散したPd/Fe触媒を調製し、より活性の高い水性ガスシフト用触媒を設計する。③、水熱合成法よりナノ粒子のβゼオライトを調製し、炭素析出を抑制できる水素化分解触媒を設計する。④、①②③で調製した触媒をハイブリッドして、高性能のバイオマス由来の合成ガスから直接にガソリン製造用触媒を確立する。
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Research Products
(12 results)