2014 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ構造触媒を用いた低圧BTLプロセスによる高品質自動車燃料合成の研究開発
Project/Area Number |
24560950
|
Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
黎 暁紅 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (30326459)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | BTL / ナノ構造触媒 / FT合成 / 触媒設計 / プロセス設計 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、木質系バイオマスをガス化して得られた合成ガス(一酸化炭素と水素の混合ガス)から低い反応圧(1.0 MPa以下)で高オクタン価を持つ自動車燃料(C5~C9イソパラフィン)を直接製造するBTLプロセスのための新規の高性能触媒と製造プロセスを開発することを目的としている。 FT合成反応に活性の高いCo系触媒、Fe系のWGS触媒、βゼオライト系の水素化分解・異性化触媒の三元ハイブリッド触媒の検討を行った。基本的なコンセプトは、バイオマス由来の合成ガス組成において、H2とCOのモル比は約1:1前後であり、炭化水素(CH2)への変換するためには2:1の合成ガスが必要である。合成ガスの一部のCOを水性ガスシフト反応(CO+H2O→CO2+H2)を行わせ、足りない水素を補足することができる。また、FT触媒上に生成した長い炭素連鎖の炭化水素(例えばワックス)をゼオライト上で水素化分解・異性化をして、ガソリン留分の炭化水素を製造することができる。 今年度では、FT合成触媒と水素化分解触媒の粒子混合の場合、触媒間の距離があり、物質移動に不利であるため、FT触媒上に生成したワックスが反応条件で蒸発できないため、触媒上に残留した原因で触媒失活したことが見られた。また、WGS触媒である沈殿鉄がシンタリングの原因で活性劣化も存在した。これらの問題に対して、①FT触媒を水素化分解触媒であるゼオライトに直接担持することより、生成したワックスを速やかに分解され、触媒の安定性が大幅に向上した。また、②Fe触媒にZr、Mn、Ceを添加することで、BET測定より、WGS触媒の比表面積が著しく増加し、かつX-線回折測定より活性金属種であるFeが微粒子化されたことが観測された。更に、③1 wt%のPdを添加すると触媒の安定性が向上したことが確認できた。
|
Research Products
(13 results)