2012 Fiscal Year Research-status Report
ゼオライト細孔内活性制御によるメタン脱水素芳香族化触媒の高活性・高耐久化
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24560951
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Saitama Institute of Technology |
Principal Investigator |
有谷 博文 埼玉工業大学, 工学部, 准教授 (40303929)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | MTB反応 / 活性評価 / L殻XANES / 構造解析 |
Research Abstract |
MTB高活性・高耐久性触媒の設計として、母体となるMo修飾H-MFI(Mo/H-MFI)触媒のSi/Al2組成比による活性への影響とそのGa局所置換担体、脱Al担体の合成と担体としての評価を行うとともに、Mo修飾条件と外表面シリル化被覆Mo/H-MFI系触媒の調製を行った。並行して各触媒の活性評価を行うことにより、失活抑制要因となる過剰脱水素抑制由来の炭素析出とともにこれに対応したMFI細孔内外の活性制御を試みた。試料調製及び活性評価はいずれも当初計画に沿って行った。 その結果、まず高活性の傾向を示したSi/Al2=28-40のH-MFI担体を用いた場合について、トリエトキシビニルシランによるMo/H-MFIへの外表面シリル化修飾のみでは一定の失活抑制効果のみが見られた。これに対し、Ga局所置換担体を用いたMo/H-GaAlMFI触媒においては、組成比Ga/Al=50での高活性化および高耐久化効果が認められた。とくに反応条件における失活抑制のためのメタン反応中の微量水素共存効果においては、シリル化処理後では活性の低下を招いたのに対し、Ga共存では水素共存による高活性化効果が著しく、また経時劣化速度も抑制されることがわかった。一方、H-MFI担体の脱Al処理後では逆に活性低下が著しく、本触媒での高活性化に適さないことがわかった。よって本年度までの成果として、MFI中の微量のGa共存が高活性化・高耐久化に寄与することが推論された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画からやや触媒材料の水熱合成による調製に時間を要したものの、活性評価および構造解析は概ね当初の計画に沿って達成し、来年度計画における高活性条件の検討の拡大に移行できる計画である。 従って、本年度までの成果をもとに、次年度以降はさらなる高活性化および高耐久化条件の詳細な検討を行うとともに、当初計画に沿ってMo活性種の微細構造の解析を同時に進行し、高活性時の活性種の状態とその酸化還元的変化をあわせて検討する計画である。
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Strategy for Future Research Activity |
MFI型メタロシリケート細孔内外のMo活性種とその分散性、反応時の還元的構造変化について、Mo L殻XANESを基に局所構造解析を行うとともに、担体であるMFIについても、SiおよびAlのK殻XAFSからの検討を行う。これらは自然科学研究機構分子科学研究所UVSOR-IMSにおける軟X線分光法(放射光共同利用実験)によるが、研究代表者・連携研究者ともにその応用研究に精通している。以上より活性制御因子であるゼオライト骨格内の典型元素(Si・Al)局所構造変化、およびそれらが与えるMFI構造マトリックスの変化に対し、担体上のMo活性種が与えるメタン脱水素初期過程の活性とその条件について明らかにする計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
これまでの活性評価用流通ラインの整備で、ガス分析計およびマスフローコントローラ等の設置を行い基本的な環境が整った状態である。そこで平成25年度は一部で構造評価のための反応用流通ラインのさらなる増備のためのマスフローコントローラ(2台)の増設を計画するが、その他の予算についてはすべて試料調製用試薬類、実験用器具類、および反応用および活性評価用の標準ガスなどによる実験用消耗品費に充当する計画である。
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Research Products
(3 results)