2014 Fiscal Year Annual Research Report
クッションタンパク質を用いた高感度バイオ分子間相互作用検出システムの開発
Project/Area Number |
24560963
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
今中 洋行 岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (10379711)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | バイオ分子 / 固定化 / 相互作用 / 超好熱菌 / タンパク質 / ペプチド / 親和性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,親水性ポリスチレンおよび金に対して親和性を示すペプチドをタグとして連結し,リガンドバイオ分子を固定化する手法に関し,リガンド分子のデザイン化による相互作用検出の高感度化を目指した.その中でも,リガンドペプチドの構造的束縛が相互作用検出感度に及ぼす影響について重点的に調べた.超好熱菌由来のRibonucleaseHII (HII)のN末端に表面親和性ペプチドタグ, C末端にリガンドペプチドとしてStrep-TagII (STII)を連結させたタンパク質を用いてStreptavidin (SA)あるいはStrepTactin (ST)との相互作用を調べた.ペプチドの構造的束縛には人工配列の逆平行E/K coiled coil (EK)を利用した.その結果,リガンドペプチドの束縛により,非束縛の場合と比べ相互作用が10倍以上高い感度で検出された.さらに,新たなクッションタンパク質としてリストアップしたCutA1の構造中にSTIIを束縛することにより,極めて高感度に相互作用検出が可能であることがわかった.リガンドペプチドの固定化について,空間的自由度を確保しつつ,構造的に束縛した状態におき,エントロピーを低下させることが,アナライト分子(タンパク質)との相互作用検出の高感度化における重要な要素であることを明らかにした.本研究の研究期間を通じ,バイオ分子の機能的固定化に資する新たなクッションタンパク質を見出し,ランダムペプチドライブラリーから金表面高親和性ペプチドを同定し,さらに,リガンドペプチドの構造的束縛による相互作用検出感度の向上が図れた.バイオテクノロジー,医療,創薬,食品分野などにおける微量分析の基盤技術として幅広く利用されているバイオ分子の固定化について,簡便かつ高感度なバイオ分子間相互作用検出システムの開発に成功した.
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