2013 Fiscal Year Research-status Report
超異方性複合材を用いたモーフィング翼構造に関する研究
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24560970
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横関 智弘 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50399549)
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Keywords | 航空宇宙工学 / 構造・機能材料 |
Research Abstract |
本研究は、超異方性コルゲート型翼構造をモーフィング翼に適用することを提案し、モーフィング翼に適用可能な可変翼構造要素に関する設計技術・駆動技術を確立することを目的として実施している。本年度は、昨年度開発した構造解析モデルを用いてモーフィング翼構造の成立性検討を行い、実際の翼型を参照し、モーフィング翼の試作と変形・駆動評価を行った。 昨年度の検討から、ワイヤーによる駆動方式を採用し、翼後縁部をモーフィング部とした翼モデルを対象として、試作検討を行った。駆動機構を考慮した構造解析モデルを用いて、実機の翼型を参照した、モーフィング翼の構造検討・パラメトリックスタディを実施し、コルゲート部剛性・強度や必要な駆動力を考慮し、試作可能なモーフィング翼構造の設計を行った。モーフィング部は軽量超異方性コルゲート構造を適用し、駆動のための機構・アクチュエータは翼内部に配置し、外部からのコントローラにより駆動できるモーフィング翼システムを試作した。 試作したモーフィング翼について、無風状態で、駆動確認、変形評価を行い、所定の駆動が可能であることを確認し、得られた変形状態も解析と一致することを確認した。また、風洞試験設備内に試作したモーフィング翼を設置し、30m/sまでの通風時における駆動実証も行った。また、構造破壊や駆動システム異常も確認されず、空力荷重が作用する状態でのモーフィング翼の健全性確認と駆動実証を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究は、超異方性コルゲート型翼構造をモーフィング翼に適用することを提案し、モーフィング翼に適用可能な可変翼構造要素に関する設計技術・駆動技術を確立することを目的として実施している。昨年度開発した構造解析モデルを用いて、モーフィング翼の試作検討を実施し、駆動確認を行うだけでなく、風洞試験による駆動実証も行うことができ、当初の計画以上の成果を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
確立した駆動に関する解析方法を利用し、モーフィング翼構造の更なる構造最適化に関する研究を進めていく予定である。平成25年度の試作モデルでは、性能等の最適化を行っておらず、より踏み込んだ設計を行い、モーフィング翼構造の改良を行う。また、駆動試験や風洞試験等によりその設計妥当性を評価していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
模型製作や実験データ整理等に伴う謝金支出が当初の予定よりも少なくなったため。 来年度は模型の改良を行い、研究の更なる加速を図る。そのため、模型改良に必要な物品費として使用する計画である。
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