2013 Fiscal Year Research-status Report
積極的な帯電によるプロペラントレス超小型衛星編隊飛行
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24560973
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山川 宏 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (50260013)
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Keywords | 帯電衛星 / ローレンツ力 / クーロン力 / 軌道制御 / 編隊飛行 / スペースデブリ / 地球接近小惑星 |
Research Abstract |
平成24年度においては、人工衛星を積極的に帯電させることで、人工衛星が地球磁場中を飛翔することで生じるローレンツ力を利用し、その帯電量を変化させることで、与えられた初期相対位置から、ターゲットの相対位置まで移行させる手法について、特に、衛星帯電量をステップ状、あるいは、連続的に変化させることにより、任意の2つの位置・速度の境界条件を満たす制御手法を導いた。平成25年度は、終端条件を、固定された相対位置から、位置や速度の複合的な条件で規定される終端軌道に拡張して研究に取り組んだ。応用例として、2つの事項に取り組んだ。1つは、制御終了時の終端軌道の高度を最小化あるいは最大化することを目標としている。応用例としては、地球周回軌道上宇宙ごみ(スペースデブリ)にイオンエミッタ等を取り付けて帯電させることで、ローレンツ力によって軌道高度を低減させることを想定している。もう1つは、制御終了時の軌道速度を、最小化あるいは最大化することを目標にしている。この具体例としては、地球に衝突する可能性のある小惑星の帯電現象を利用して、同様に帯電させた編隊飛行を行う複数の宇宙機の間に生じるクーロン力および重力によって、わずかに軌道速度を変化させ、地球衝突の確率を低減させることを目標とした。 また、制御手法のみならず、人工衛星のイオン・電子エミッタによる帯電現象の数値シミュレーションを実施することで、帯電現象の理解と帯電量制御の手法についての検討に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度に実施した、人工衛星を積極的に帯電させ、その帯電量を変化させることで、発生する電磁気力によって、与えられた初期相対位置から、ターゲットの相対位置まで移行させる手法の構築に立脚し、平成25年度は、終端条件を、固定された相対位置から、位置や速度の複合的な条件で規定される終端軌道に拡張して研究に取り組んだ。また、平成25年度は、帯電物体同士のクーロン力の軌道制御への利用可能性について検討することとしていたが、地球衝突小惑星を例に複数の帯電衛星の編隊飛行を想定した解析を行うことができた。以上より、おおむね順調に進展したと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
ローレンツ力による人工衛星の軌道制御の概念をスペースデブリに応用するに際し、平成25年度の赤道面軌道を仮定した解析を、よりスペースデブリが多く存在する極軌道等の軌道傾斜角が大きい軌道に拡張する。また、帯電衛星の編隊飛行を前提としたクーロン力制御による小惑星の軌道変更については、最適な編隊飛行の手法について検討する。また、人工衛星の帯電現象については、静止軌道上、低軌道上等に場合分けをして、衛星電位の背景プラズマの密度への依存性や、帯電の際の放出粒子のエネルギーへの依存性について検討を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度中に発表を想定していた国内学会をとりやめ、平成26年度に開催される国際学会で発表を行うこととなり、次年度使用額が生じた。 研究成果の国際学会での複数の発表、および、査読付雑誌への投稿を予定している。
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[Presentation] スペースデブリの除去2013
Author(s)
中宮賢樹、赤司陽介、山川宏
Organizer
日本機械学会2013年度年次大会
Place of Presentation
岡山県岡山大学津島キャンパス
Year and Date
20130908-20130911
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