2013 Fiscal Year Research-status Report
高速衝撃貫入により粒状物質集合体中に引き起こされる諸現象の解明
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24560978
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
渡辺 圭子 立命館大学, 理工学部, 准教授 (80423599)
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Keywords | 高速貫入 / 砂 / マグネット・コイル法 / 偏心 / 波の伝播速度 |
Research Abstract |
砂層貫入中の飛翔体速度減速履歴を高精度で計測する手法として、磁石搭載飛翔体が通過した際の誘導起電力をコイルで検出するマグネット・コイル法を提案してきた。本手法を貫入中に蛇行することがわかっている飛翔体の軌道計測に応用できないか検討した。課題としては1.偏心の計測、2.傾きの計測が挙げられるが、本年度は1.偏心の計測に注力した。結果、コイル中心からの偏心量が大きくなるにつれてコイルの最大出力電圧が単調増加することがわかった。現在、偏心量をパラメータとして導入した理論式を構築中であり、飛翔体が傾いた時のコイル出力のデータも取得・分析することにより、飛翔体高速貫入時の貫入経路の同定手法を今後確立していきたい。 マグネット・コイル法で計測した貫入中の飛翔体速度と深さの関係を片対数グラフに示したところ、貫入速度が100~200m/sに達すると速度の下がり方に変化が生じることがわかった。この速度(以降、遷移速度と記す)が砂を伝播する波の速度に関わっていると予想し、スプリット・ホプキンソン棒型衝撃圧縮試験装置を用いて波の伝播速度を計測し、遷移速度との比較を行った。また、砂の粒径と充填密度が音速に及ぼす影響について調査した。結果、充填密度を変化させた時の波の伝播速度は充填密度に対して線形的に増加することがわかった。また、粒径の変化による影響は見られなかった。遷移速度に関しては、波の伝播速度と一致することがわかった。ただしまだデータ数が少ないため、再現性確認実験が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
砂層貫入中に飛翔体が蛇行することがわかり、飛翔体の軌道および姿勢をその場計測する手法の開発に主に注力した。そのため当初の計画以上に進んでいる項目と手がつけられていない項目とがあるが、合わせて概ね順調と判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
飛翔体のコイル中心からの偏心量をパラメータとして導入した理論式を構築する。また、飛翔体が傾いた時のコイル出力のデータも取得・分析することにより、飛翔体高速貫入時の貫入経路の同定手法を確立する。 飛翔体貫入軌道周辺粒子の破砕形態に関して、X線CTを利用して詳細に観察する。同時に砂粒子の破砕強度を計測し、力の連鎖を検討する。 SPHやDEMによる数値解析を行い、離散粒子の複雑な運動を表現する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
未使用研究費が生じているが、これは学内予算が当初の予想以上に確保でき、それを優先して使用したためであり、研究は問題なく遂行できている。 圧力測定器購入費、火薬銃の運用消耗品費、ターゲット材料、金属材料および電子部品購入費に主に使用予定である。
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Research Products
(8 results)