2014 Fiscal Year Annual Research Report
生物における膜面展開挙動の力学的合理性評価とその応用
Project/Area Number |
24560980
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
岸本 直子 摂南大学, 理工学部, 准教授 (60450714)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 膜面構造物 / 3次元計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,昨年度配置を改良した全周形状計測装置を用いて,昆虫の羽化過程の3次元計測に取り組んだ.しかし,羽化がみられる7月~8月に計測装置の不具合が頻発し,うまく撮影することができなかった.花の開花については,昨年度に引き続き,3次元形状データを取得することができた. 昆虫の羽化過程の撮影はできなかったが,膜面のダイナミックな変形を計測するために,風船に加圧・減圧していく際の形状変化や,折り畳んだ紙を展開・収納していく際の形状変化を計測し,簡単な数値計算と比較・検討をおこなっている. また,計測装置を可搬型とし,城陽市歴史民俗資料館で,古墳出土の青銅製品の3次元計測をおこなった. 本研究の目的は,生物の膜面展開挙動を3次元で計測し,その仕組みを定量的に評価することであったが,計測装置の開発・調整に時間がかかり,対象とする昆虫の羽化の時期が限られていることから最終的には目的とするデータを取得することができなかった.そのほか計測対象物の形状によっては,マッチング成功率と計測精度に課題があることが明らかになり,とくに昆虫の羽化は計測が困難な形状であることが明らかとなった. 一方,開花する花や風船や折りたたんだ紙といった実験室内で準備できる対象については,動的な挙動を取得することができた.また,可搬型とすることで,外部での3次元計測にも対応できるようになり,取得した3次元形状データの処理方法についてもまとめることができた.
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