2014 Fiscal Year Research-status Report
惑星探査及び有人宇宙輸送に向けた革新的超軽量熱防御システムの開発
Project/Area Number |
24560982
|
Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
鈴木 俊之 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発本部, 主任研究員 (20392839)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 熱防御システム / 非アブレーション / 大型化 / 火星探査 |
Outline of Annual Research Achievements |
NALT接着部強度評価に向けた研究を実施した.特に接着部の強度評価に向けて,昨年度の接着試験において製作された試験片を用いて引張り試験を実施した.全ての試験において供試体破壊はカーボン・カーボン複合材スキンと断熱材との接着部ではなく断熱材部で発生していることがわかった,これにより接着部の引張り強度を定量化するとともに,接着手法の妥当性を検証することができた. 一方で,従来の接着にだけではなく部分的機械的に固定することによってNALTの機械的強度を向上する等,今後取り組むべき課題も判明した.これについては研究期間を1年延長し,課題克服に向けた研究を行う. また多孔質物質内部の熱伝達特性の解明に向けた研究を実施した.特に加熱試験と評価解析との不一致について,加熱試験において供試体の側面から熱が流入出するなど,加熱の1次元性が成立していないことが原因の大部分であることが定性的かつ定量的に示された.更に断熱材内部空孔における輻射の影響は小さいことがわかった. 更に火星大気中に浮遊するダストによるNALT表面の損耗耐性を評価することを目的とした予備研究を開始した.特に二段式軽ガス銃を用いたダスト模擬粒子撃ち込み試験を行うにあたり,試験条件の整理,計測システムの整備,圧縮管内のピストン速度計測,模擬サボの撃ち込みを行うなど,二段式軽ガス銃の動作確認を実施した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
NALT接着部の機械的強度評価については,引張り強度を定量化するとともに,接着手法の妥当性を検証することができてた点については概ね順調に進展している.一方で機械的強度の改善に向けて新しく取り組むべき課題も判明した.しかしながら多孔質内部の熱伝達特性の解明,加熱試験と評価解析の不一致の原因の特定,ダストによる損耗耐性評価の一部前倒し等,当初の計画以上に進展している部分もある.したがって研究目的の達成度についてはおおむね順調に進展していると考えられる.
|
Strategy for Future Research Activity |
NALTの機械的強度改善に向けて,ポストを設置するなど,機械的固定手法を検討する.これにあたり,ポストを含むNALT供試体を作成し,加熱試験を実施してポスト部の断熱性を確認するとともに,高温時の機械強度を検証する.また熱解析のみに着目した従来の評価解析手法を拡張し,機械強度を合わせて評価する解析手法を開発する.加熱試験データとの比較を行うことにより,評価モデルの精度向上を目指す.また二段式軽ガス銃を用いたダスト模擬粒子撃ち込み試験を実施することにより,NALTの損耗耐性評価を実施する.
|
Causes of Carryover |
研究代表者は2014年12月まで出向を命じられたため,2014年度の1年間において本研究を実施できない期間が生じることになった.これにより研究計画を一部変更し,研究期間を1年延長することによって未実施分の研究を実施することとした.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
NALTの機械強度の改善に向けた研究を行う.これにあたり様々な機械的固定手法によるNALT試験片を作成する.更に加熱試験を行い,断熱性を評価する.また機械強度評価に向けて従来の評価解析手法を拡張するにあたり,計算機を購入する.
|
Research Products
(1 results)