2012 Fiscal Year Research-status Report
ラジオコントロール模型を用いた小型ボートの安全性評価法の開発
Project/Area Number |
24560989
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
片山 徹 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20305650)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 高速滑走艇 / 自由航走模型 / 不安定現象 / ラジオコントロール |
Research Abstract |
高速航走時の急旋回に伴う転覆現象を含む急旋回時安全性能評価法を構築するためには、実現象を計測し、その発生条件および状態(運動)を把握することが重要である。しかし、このような運動計測実験を実艇で実施した場合,操船者を危険さらす可能性がある。 一方で、もし模型船によって実艇の運動を再現することが出来れば(一般的には縮尺の影響があり、現象の発生条件やその程度が異なることがある)、設計段階において模型試験により安全性の確認が可能となる。 そこで本研究では,模型船を用いた自由航走試験システムの開発を行い、安全性能評価法を構築するための基礎となる様々な条件下の運動計測を行うとともに、このデータに基づき運動性能評価法を提案する。一方で、模型船を用いた自由航走試験システムの縮尺影響を補正する方法についても検討し、模型船を用いた実艇の性能評価法についても検討する。 H24年度においては上記目標のうち、運動計測システムを搭載した自由航走模型船(自由航走試験システム)を設計し製作し、このシステムを用いた高速急旋回試験を実施し,基礎データの取集を行った。 一方で模型試験データと実艇試験データとを比較検討し、縮尺影響を確認するとともに、この影響を補正する方法として空中プロペラを用いた縮尺影響補正法を試み、その可能性を確かめた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の達成目標は「ラジオコントロール模型船による6自由度運動解析システムの開発」である。 実船型(バスボート:BASSCAT)を対象とし、全長1mのFRP模型を作成した。本模型船は、計測機器(GPS付きジャイロ Xsens MTi-G、モーター回転数およびトルク計測装置HYPERION EmeterII、舵角計測装置等を含め4kg程度の軽重量を達成し最大フルード数4.0以上を達成している。また、密閉構造を採用し転覆時にも内部への浸水は生じず沈没には至らなくした。繰り返し実験時の操船精度の向上を目的とし、デジタルコントローラを採用し、同条件での計測を複数回実施可能とした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度には平成24年度に開発したラジオコントロール模型船による6自由度運動解析システムを用いて、平水中および波浪中での高速旋回時の運動計測を実施し、転覆に至るような不安定運動および発生条件の解明を行う。 実験は、水産工学研究所水槽(海洋工学総合実験棟 長さ60m、幅25m)または大阪府立大学内の貯水池(府大池)での実施を検討している。特に水産工学研究所水槽では、造波のほか風の発生も可能なため、様々な状況下で不安定運動の計測が可能であると考えている。 平成26年度は、申請者がこれまでに開発した滑走艇の波浪中船体運動推定法、操縦性能推定法、不安定現象発生予測法をベースに、波浪や風の影響を考慮した高速急旋回時の運動推定法ならびに不安定現象発生予測法を構築することを目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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