2012 Fiscal Year Research-status Report
接近した2円柱の流力振動および作用する流体力特性に関する数値的研究
Project/Area Number |
24560991
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
近藤 典夫 日本大学, 理工学部, 准教授 (90178418)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アメリカ |
Research Abstract |
当該年度の研究目的は、3次元数値シミュレーションを利用して、直列2円柱の流力振動及び作用する流体力特性を数値的に求めることにある。直列配置した静止2円柱では、2円柱の中心間で計ったときの臨界間隔比は3.5~4.0であることが実験結果から分かっている。このことを踏まえて、当該年度では2円柱の間隔比を2,3,4について計算を行った。計算でのスクルートン数Scを0.99に設定し、換算速度Urを計算パラメータとして、Urの変化に伴う円柱のインラインとクロスフローの両振動を同時に捉えた。 換算速度Ur<5領域で、2円柱ともにインライン振動が卓越する現象、つまり第1励起振動と第2励起振動を捉える事が出来た。しかしながら、上流円柱と下流円柱ではその性状は異なる。上流円柱では両励起振動振幅はほぼ同じであるが、下流円柱では第2励起振動振幅が大きくなる。また、Ur>5の領域では、上流円柱の渦励振振幅は単一円柱の場合とほぼ同様の形状を示すが、下流円柱では振動振幅は小さくなることなく、大きな振動を維持している。 さらに、インライン振動領域では抗力の振動数と円柱の固有振動数が一致し、いわゆる共振になる。同様に、クロスフローが卓越する領域では、渦放出振動数と円柱の固有振動数が一致し、ロックイン(共振)になることが捉えられている。また、第1励振域では、上流円柱背後の渦は対称になり、第2励振域では非対称になることも捉えられている。これらの結果は、単一円柱の場合と同じ現象である。 以上ことから、直列2円柱の流力振動を捉える事が出来、さらに流体力と円柱の複数タイプの共振性状を把握することができ、新たに重要な知見を得る事ができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の研究目的は、直列配置した2円柱の流力振動解析と2円柱に作用する流体力特性を捉える事にある。このとき、低スクルートン数である0.99に設定し、2円柱間の間隔比を2~4の範囲で行い、間隔比の違いが流式振動と流体力にどのような差が生じるのかも調べた。 この結果、2円柱の流力振動、2円柱に作用する流体力および複数タイプの共振現象を捉えることができた。さらに、2円柱間の間隔が僅かでも異なると流力振動に大きな変化が表れることが分かった。そして、複数タイプの共振や間隔比の変化による2円柱のインラインとクロスフローの振動振幅の変化を定量的に捉えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
直列配置の2円柱に関する流力振動現象に関しては、間隔比が大きい場合を対象に継続して行う予定である。 また、複数構造物がある場合は、その基本配列として直列配置の他に並列配置がある。そこで、並列配置した2円柱についての流力振動および2円柱に作用する流体力特性を低スクルートン数の場合を対象にして研究を推進する。並列配置した静止2円柱の実験結果では、間隔比が小さい場合には「偏り流れ」になることが知られている。このような流れ場における2円柱の流力振動は異なった振動性状になることが予想されるので、それを定量的に捉える予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該研究は、3次元数値シミュレーション手法による2円柱の流力振動および流体力特性を捉えることに研究の主眼があるので、その計算環境を整えることが必要である。そこで、複数コアを有するコンピュータを購入する予定である。さらに計算結果を可視化すると現象を理解しやすいので、画像処理ソフトおよび計算結果を保存するためのハード・ディスク等の周辺機器を購入する予定である。
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