2013 Fiscal Year Research-status Report
接近した2円柱の流力振動および作用する流体力特性に関する数値的研究
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24560991
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
近藤 典夫 日本大学, 理工学部, 准教授 (90178418)
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Keywords | 並列2円柱 / 1質点2自由度 / 2円柱の衝突 / スクルートン数 / CFD |
Research Abstract |
本年度の研究は、並列配置した2円柱がバネとダンパーで支えられた状態に対して、2円柱の渦励振を挙動を3次元数値解析によって捉える事である。並列配置の2円柱の中心間の間隔Tは、T=2D(D:円柱の直径)に設定した。流れに関しては層流を仮定し、2円柱から遠方で一様流れを与えた。このような流れの設定のため、数値計算では乱流モデルは導入していない。T=2Dの場合は、並列2円柱まわりの流れは「偏り流れ」になることが多くの実験結果から報告されている。したがって、数値計算でもこのよう流れになることが期待できる。またスクルートン数St=1, 2, 3の3ケースで与えた。このようにスクルートン数が極端に小さい場合は、換算速度が小さい範囲でインライン振動が卓越する。 スクルートン数Sc=1では、Ur=5~6の範囲で2円柱の衝突が確認された。このような衝突か起こるまでの間で、2円柱の振動は互いに「近づきそして離れる」という振動を繰り返している。このために、Ur=5~6では2円柱の振幅が大きくなるので衝突に至る。しかしUr=6を超えると、2円柱の動きは互いに同方向への振動になり、振幅が大きいにも関わらず、衝突は起きない。 Sc=2の時も、Ur=5~5.8の範囲で衝突が起きたが、衝突に至る原因はSc=1の場合と同じである。Sc=3では2円柱の質量が多くくなるために、振動振幅が僅かに小さくなり衝突が起きなかった。さらに衝突が生じた時の2円柱表面の圧力分布は角度225度付近で極端に大きくなることが捉えられた。2円柱まわりの流れは偏り流れになっているために、2円柱の振動振幅は同じで大きさではなく、時間とともに変化していることが分かった。 以上子結果より、並列配置されて2円柱の振動特性が数値的に捉えられ、衝突に至る様子、2円柱表面の圧力分布等がこの研究によって明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の研究期間は3年間で、初年度は直列配置した2円柱の渦励振に関する研究、2年目が並列配置した2円柱の渦励振に関する研究を行うことである。初年次では直列2円柱の計算は終わっており、2円柱の渦励振挙動を十分に捉える事が出来た。 2年目の今年度でも、並列2円柱の渦励振をスクルートン数を3ケースで行い、それぞれの挙動の相違を捉える事が出来たので、当初の計画通りに計画が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の3年目の目的は、2円柱が超臨界レイノルズ数域にあるときの渦励振現象を解明することにある。従来は、亜臨界域での円柱の渦励振の研究が多く、超臨界域での研究報告は数が少ない。そこで、数値計算によって、超臨界域の円柱の渦励振を解明する予定である。さらに亜臨界レイノルズ数のVIVと超臨界レイノルズ数のVIVの相違点について言及する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度に高性能の計算機を購入するための費用に充てる。 数値計算を実施するためには高性能のコンピュータが必要不可欠である。新しく購入する計算機と現在ある計算機を有効に使い、計算性能を高める予定である。
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