2013 Fiscal Year Research-status Report
海中周囲雑音による物体映像化において雑音源位置が探知映像に与える影響に関する研究
Project/Area Number |
24560999
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
森 和義 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, 応用科学群, 准教授 (70259894)
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Keywords | 海洋科学 / 海洋工学 / 海洋探査 / 音響レンズ / 海中周囲雑音 / イメージング |
Research Abstract |
本研究では,周囲雑音イメージングにおいて,雑音源位置が探知映像に与える影響を調査する.想定海域(内浦湾)の雑音源位置計測により,雑音源位置が計測バージ直下の水深約30 mの海底および海面の計測バージ底面に分布していることは既に把握している.ここでは,時間領域差分法による数値シミュレーションにより,同様の雑音源配置において視野角中心に幅1 mの剛体平板ターゲットを距離15 mに配置し,イメージング装置で受信される音波を計算し,ターゲットを捕らえられるかどうかを評価した. まず,ターゲットの背後に雑音源が存在せず,その前方に雑音源があり,ターゲット散乱波を受信ビームで捕らえることができる前方照明と呼ばれる条件で計算を行った.このときイメージング装置の向きはほぼ水平で,最大受信音圧は視野角中心から海面方向の約2度に現れた.これは,ターゲット散乱波に指向性があり,ターゲット散乱波を生成する雑音源はイメージング装置近傍の計測バージ底面にあること,つまり,前方照明でターゲット散乱波を検出できることを示した. 次に,ターゲットの背後に雑音源が存在し,一部の雑音は受信ビームに直接捕らえられ,他の一部はターゲットに遮られるような後方照明と呼ばれる条件で計算を行った.このとき,イメージング装置の向きはほぼ垂直に近く海底を向くことになる.その結果,最小受信音圧は視野角中心に現れた.これは,海底から直接受信される雑音が支配的で,かつターゲット方向では雑音を遮っていることになる.つまり,後方照明によってターゲット方向で受信強度が小さくなり,シルエットのように検出していることを示した. 以上より,想定海域における前方および後方照明の実験に対応できるように,イメージング装置を水平から垂直に自在に固定できるような治具を設計・製作した.これより,次年度における実海域試験の準備が整った
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現時点では,想定海域において前方照明および後方照明における数値シミュレーションが完了し,両照明となる雑音源位置およびイメージング装置の向きに対する探知映像は予測ができた.さらに実海域試験に備え,周囲雑音イメージング装置とターゲットを固定する治具を用意する必要がある.前方照明および後方照明に対応するため,イメージング装置をほぼ水平から垂直に自在に固定できる治具を設計・製作した.前方照明に対応するようにターゲットを固定する治具は以前の実験に利用した既存品を再利用できる.追加として必要となる後方照明におけるターゲット固定用治具においては,イメージング装置の下にターゲットを吊り下げるものを設計し,その製作も完了した.後は,実海域試験を実施し,その実験データの解析を進めるのみである.
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Strategy for Future Research Activity |
周囲雑音イメージング装置およびターゲットを固定する治具の設計・製作は完了したことにより,実海域試験を実施する準備は整った.2014年の秋,11月中に内浦湾における計測バージにて,実海域試験を行う予定であり,その実験データ解析も年度内に完遂する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
周囲雑音イメージングによって得られるターゲット探知映像の予測において,数値解析によるシミュレーションが遅れた.これより,今年度に予定していた実海域試験の実施が不可能となり,計測バージの用船のための助成金が未使用となった. 2014年11月中に,実海域試験を実施する計画を立てている.内浦湾に係留された計測バージに周囲雑音イメージング装置を固定し,ターゲットを吊り下げる.ターゲットは1 m×1 mのアルミ板3枚を横に並べた物である.このとき,同時に1対の正四面体アレイを用いて雑音源位置も計測して,雑音源空間分布を把握する.そして,パネル組み合わせを1~3枚で変化させ,ターゲット形状による探知映像への影響を調査する.さらに,前方照明あるいは後方照明となるようにイメージング装置およびターゲットの配置を変化させて,探知映像に与える影響を調査する.この実験において,計測バージを業者より用船するため,今年度未使用の助成金を用いることになる. また,翌年度分として請求した助成金は,実験データの解析結果を国際会議にて発表するための旅費として使用する予定である.
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Research Products
(11 results)