2014 Fiscal Year Research-status Report
鉱山排水から簡易合成したゲーサイトと超音波酸化を用いた酸性領域における砒素の除去
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24561002
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| Research Institution | Akita University |
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Principal Investigator |
大川 浩一 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (00375221)
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| Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 砒素 / ゲーサイト / 鉱山廃水 / 超音波 / 酸化 / 除去 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
旧松尾鉱山の坑廃水は硫酸酸性（pH2.2）で主に鉄、砒素、アルミニウムがイオンの状態で存在している。この坑廃水を河川に排出するには、中和のみならず、毒性の高い砒素を除去する必要がある。本研究は松尾鉱山の坑廃水からゲーサイトを砒素吸着材として簡易に合成する方法を提案し、それを使用して坑廃水中の砒素を酸性領域で除去することを特徴とする。本年度は松尾鉱山坑廃水からゲーサイトの簡易合成を検討した。また、このゲーサイト200mgを5価砒素溶液（pH7, 10ppm, 100ml）に添加し、撹拌を行い、砒素の吸着量を確認した。
松尾鉱山坑廃水を用いて、ゲーサイトを簡易合成したところ、ゲーサイト以外の相を含む沈殿物が得られた。この沈殿物は、砒素とアルミニウムを含んでおり、粒子径は100nm程度であった。このゲーサイトを試薬を用いて調製した溶液（松尾鉱山坑廃水のpHおよび鉄濃度を模擬）から合成したゲーサイトと、鉄溶出量と5価砒素吸着量(10ppm)について比較(pH7)を行った。鉄溶出量は、スターラーを用いて500rpmで120分間撹拌を行うことで評価した。坑廃水から合成したゲーサイトは0.05%で、試薬から合成したものは0.03%と両試料とも低い値を示した。砒素除去率は坑廃水から合成したゲーサイトが99.3%であり、試薬から合成したものが99.7%であった。坑廃水から合成したゲーサイトは合成段階で砒素を吸着するので、それを考慮すると、各試料が吸着可能な砒素重量は同等となることがわかった。以上の結果から、坑廃水から合成したゲーサイトは、砒素吸着材として期待できることが明らかになった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
24年度、25年度は、試薬を用いた松尾鉱山廃水の模擬水を使用していたが、26年度は松尾鉱山廃水の原水を用いた実験を行った。松尾鉱山廃水を用いて、ゲーサイトを合成する段階まで進むことができた。模擬水を用いた実験は実施条件が多かったため、松尾鉱山廃水を用いた実験に着手する時期が遅くなった。
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| Strategy for Future Research Activity |
松尾鉱山坑廃水から合成したゲーサイトを用いて砒素吸着実験を行う。また、超音波照射下において坑廃水から合成したゲーサイトが溶解せずに使用できるか調べる。さらに、このゲーサイトの取り扱いやすさについても調べる。27年度は最終年度なので、成果をまとめ、学会発表および論文発表を行う。
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| Causes of Carryover |
平成24-26年度にかけ、子供の出産・育児により生活リズムが大きく変わり、研究時間等の大幅な変更が生じた。特に旅費に関しては、予定していた他機関との研究打ち合わせが実施できなかったことや学会発表への参加回数を抑制したことにより、未使用額が多い。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、本研究をまとめるために、松尾鉱山の廃水を実際に使用しながら実験を進める。そのため、松尾鉱山廃水処理施設を３回程度訪問して採水および情報交換をしたいと考えている。また、成果発表も積極的に行いたい。そのため、次年度は主に旅費、成果発表費、人件費および実験施設利用代に使用する予定である。旅費と成果発表で40万円程度を考えている。育児があるため、実験の補助員が必要である。そのための費用として20万円程度を考えている。研究をまとめるにあたって最終データを採取するために秋田大学の共同利用施設・装置を使用する。その施設・装置の使用代と実験試薬代等で20万円を計上する。また、合成時に必要な高温循環装置が故障したため、18万円程度で新規に購入する予定である。
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