2014 Fiscal Year Annual Research Report
分光学的手法による超高濃度トリチウム水の自己放射線分解反応の研究
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24561022
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
小林 かおり 富山大学, 大学院理工学研究部(理学), 准教授 (80397166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 正憲 富山大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (00334714)
尾関 博之 東邦大学, 理学部, 教授 (70260031)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 核融合 / 分子分光学 / 物理化学 / 近赤外分光 / トリチウム |
Outline of Annual Research Achievements |
トリチウム水の近赤外分光測定を引き続き行った。昨年度、約7200-7400 cm-1の帯域で測定を行っていたが、大気の水の影響によると思われるモードホップで測定できない部分があった。今年度は湿度の低い季節を利用して、モードホップで測定できなかった部分の測定を試み、いくつかの遷移を追加測定することができた。さらにトリチウム水の水素が2つトリチウムに置き換わった同位体の測定のため、1.4ミクロン帯のレーザーによる測定を行った。軽水に加えて、トリチウム水と暫定的に帰属される遷移が観測された。 一方で、同じスペクトルの複数回の測定による化学反応の観測が、全体の圧力変化で難しかったため、放射線分解等で分解したトリチウムを再生器を用いて再酸化し、セル内の時間による圧力変化による化学反応に関して検討することとした。昨年度は圧力が時間とともに増加する傾向が見られたが、本年度の測定では、増加傾向がわかりにくい場合があった。内部の組成に関する情報を得るため、1.4ミクロン帯のレーザーで検出できる可能性のある分子種の測定を行ったところ、二酸化炭素が生成していることが確認された。この炭素の由来としては、セルのステンレスの不純物、あるいは、酸化剤として再生器中に存在するCuOの不純物が考えられる。 1.4ミクロン帯のレーザーによる測定は、レーザーの周波数可変領域全体をカバーするに至っていないので、今後も測定を継続する予定である。
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Research Products
(2 results)