2012 Fiscal Year Research-status Report
位相共役光によるレーザー核融合用自動ステアリング技術開発
Project/Area Number |
24561023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
吉田 弘樹 岐阜大学, 工学部, 准教授 (90230755)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | レーザー核融合 / ターゲット / トラッキング / 位相共役 |
Research Abstract |
射出されたフォームターゲットへの位相共役鏡を用いたビームステアリング装置を開発を目的とし、以下の成果を得た。 ・購入したディジタル遅延パルス発生器を導入し、インジェクターとレーザー光学系との同期システムを構築した。 ・位相共役鏡によるビームステアリング方法では、フォームターゲットによるレーザー光の散乱・反射モデルを構築する必要がある。ポリスチレンフォーム(屈折率1.5)の微少表面での反射光と散乱光とをP波とS波に分け、全球に渡って与えるレーザー光の散乱・反射モデルを考案した。直径7.3mmのポリスチレンフォーム球にHe-Neレーザーを照射して反射光と散乱光とを実測し、モデルとの誤差は0~180度全球に渡って約15%である事を検証した。測定器の精度と同程度の誤差であり、妥当なモデルと判断できる。 ・非線形媒質として非線形効果が比較的大きいニトロベンゼンを採用し、四光波混合による位相共役鏡システムを構築した。実際の核融合システムでは光路長が数100mと長く、レーザーが伝搬してターゲットへ戻るまでのターゲットの移動が無視できない。そこで、ターゲットへ戻るレーザーの角度を補正する必要がある。Nd:YAG(30mJ, 5ns)を分岐して四光波混合用の2本のポンプレーザーを得る。それらの成す角を調整することで、ターゲットへ戻るレーザー光の角度を補正できる事を理論的にも実験的にも示した。さらに、核融合システムの様な複雑な光学系でも、この補正方法が実現できることを理論的に示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的を全て達成している。さらに次年度に計画していた動ターゲットへのレーザー照射実験も先行して実施している。
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Strategy for Future Research Activity |
・H24年度は1ビーム照射の実験を行ったが、実際の核融合システムでのマルチビームレーザー照射にも対応できるか確認しておく必要がある。そこで、プローブレーザーを4ビームに増やして、四光波混合システムの設置角度が任意に選べることを検証する。 ・静止フォームターゲットへの位相共役光照射実験を行い、補正方法を検証する。 ・動ターゲットへの位相共役光照射実験を行い、補正方法の検証および、レーザーの照射精度を評価する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費を用いて新たにチャンバーを製作して上記のシステムに組み込み、プローブレーザー4ビーム化および、動ターゲットへの位相共役光照射実験を実施する。その他、光学素子や電子部品等を購入してシステムを改良し、インジェクターとの同期や位相共役光の補正などの高精度化を行う。
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Research Products
(15 results)