2012 Fiscal Year Research-status Report
面外拘束パラメータを考慮した照射材破壊靱性値の試験片寸法依存性補正手法構築
Project/Area Number |
24561038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
飯井 俊行 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10313727)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 破壊靱性値 / 遷移温度域 / 試験片の寸法効果 / き裂先端の拘束 / T-stress |
Research Abstract |
本研究の目的は,き裂先端の面外拘束を表す力学パラメータT33-stressを考慮することにより,照射脆化した材料(延性-脆性遷移温度域材)の破壊靱性値Jcの試験片寸法依存性を定量的に補正する手法を構築することにある.本年度は,弾性有限要素解析(FEA)結果より,T-stressの変化範囲が大きい3点曲げ(3PB)試験片の破壊靱性試験と弾塑性解析をH25年度に先行して実施した.その結果, 1)まず試験片板厚幅比B/Wを増やしていくと,これが1.5程度でT33が一定値に収束するとの弾性FEA結果に対応し,Jcもほぼ一定値に収束するとの実験データが得られた.これは,Jcの板厚効果をT33が適切に現しうることを裏付けたものと考えられる. 2)弾塑性FEAによりJcの板厚効果を再現することができた.また,JcがB/W に対し収束した場合であっても,当初計画通り,破壊時の荷重を形式的に応力拡大係数(K値)で表現したKcがB/Wによらずほぼ一定となるという実験結果が得られた. 3)さらに,き裂先端開口変位(CTOD)x4の位置の開口応力成分σ22がある値を超えたときに試験片が破壊するというクライテリオン(以下,(4CTOD,σ22c)クライテリオン)が板厚によらず適用でき,その結果Jcの板厚効果を説明しうることを示した(投稿論文採択決定済). 4)以上により,ある材料,ある試験片形状に対する破壊靱性値Jc1が得られたならば,材料強さであるσ22cが得られ,任意の試験片形状に対するJcが(4CTOD,σ22)クライテリオンにより評価できるようになった.この任意の試験片形状に対するT-stressを弾性解析により別途求めておくことによりJc = Jc1 x f(T11, T33)なる補正関数fを整備中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1) 破壊靱性試験片の弾塑性FEA結果に適用でき,Jcの板厚効果を説明しうる破壊クライテリオンを提案できた結果,Jcの補正関数fをT-stressを変数として求める具体的な手順が固まったこと. 2) JcがB/Wの増加に対し一定値に収束する現象は,従来Jcの板厚効果の説明に用いられた材料の最弱リンク説では説明できないものであり,かつ弾塑性FEAによりこの現象を再現できたことから,Jcの板厚効果がき裂先端の拘束の増加による力学要因が大きいことを裏付けたこと.
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Strategy for Future Research Activity |
H24年度に導出したJcの補正関数導出フレームワークが,材料を変えても適用可能であることを示していく.また,試験片の種類が変わる場合への応用方法を検討していく.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(3 results)