2013 Fiscal Year Research-status Report
面外拘束パラメータを考慮した照射材破壊靱性値の試験片寸法依存性補正手法構築
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24561038
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
飯井 俊行 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10313727)
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Keywords | 破壊靱性値 / 遷移温度域 / 試験片の寸法効果 / き裂先端の拘束 / 三軸応力度 / T-stress |
Research Abstract |
本研究の目的は,照射脆化した材料(延性-脆性遷移温度域材)の破壊靱性値Jcの試験片寸法依存性を,定量的に補正する手法を構築することにある.H24年度はき裂先端開口変位(CTOD)x4の位置の開口応力成分σ22が同一値を超えたときに試験片が破壊するというクライテリオン(以下,(4CTOD,σ22c)クライテリオン)が板厚によらず適用でき,その結果Jcの板厚差を補正しうることをS55C鋼に対し示した.本年度は, 1. (4CTOD,σ22c)クライテリオンが,廃却されたShoreham原子炉圧力容器鋼(ASTM A533鋼)の破壊靭性試験結果に対し適用できることを示した(2014/7 ASME PVPにて発表決定). 2. Jcの板厚効果がき裂先端の拘束差によることを示し,この拘束を表すパラメーターとして4CTOD位置での三軸応力度Θ=(静水圧応力)/(von Mises応力)が適切であることを示した(2014/7 ECF20にて発表決定). 3. Jcの板厚効果は試験片幅の影響も受けるが,それについてもT33により影響を定量的に評価が可能であることを示した(Engineering Fracture Mechanics誌にて公表). 4. T33 を用いることにより,最弱リンク説では予想できなかった,Jcの板厚に対する下限値を予想できるようになった(Advances in Materials Science and Engineering誌にて公表).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
弾塑性有限要素解析結果に適用でき,Jcの板厚効果を説明しうる破壊クライテリオンである,(4CTOD,σ22c)クライテリオンを提案できた結果, 1)1種類の板厚の試験片に対する破壊荷重,そしてJcを実験により求めておけば,他の板厚の試験片で得られるJcを,実験することなく求めることができるようになった 2)さらに,T33を用いることにより,Jcの板厚に対する下限値を予測することができるようになった こと.
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Strategy for Future Research Activity |
より現実的な構造に近い板状試験片に対する弾塑性有限要素解析と破壊靭性試験を実施し,H24年度に実施したJcの補正関数導出フレームワークがいわゆる破壊靭性試験片のみならず,より実際の構造(板構造試験片)に近い場合についても適用可能であることを示していく. 板試験片の試設計を行った結果,現時点で板材の候補として,S45C,SCM440を選定している.大型の試験機を有する試験機関と試験片寸法については具体的な詰めを行っているものの,その機関にて実績を有する寸法で試験を行う予定なので,破壊靱性試験は問題なく実施できると考えている.
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Research Products
(11 results)