2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24561046
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
青柳 登 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力基礎工学研究センター, 研究員 (80446400)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 有機アクチノイド / ウラン / イオン液晶 / イオン液体 / 重金属錯体 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年の本年は、これまで得られた4価ウラン化合物のうち、UCl4とその誘導体に目的物質を絞り、その光機能・特性をさらに詳細に分析することにした。2年目に合成法の見通しが得られたUCl4を、減圧下542 ℃、3時間昇華精製することで、光学純度の高いUCl4が得られた。粉末XRDパターンの解析により、不純物として混入したUCl5やUCl6の除去が可能なことが示された。精製した10 mgのUCl4を400 μLの1-エチル-3-メチルイミダゾリウムチオシアナト[C2mim][SCN]に溶解した。この試料のTRLFS(時間分解型レーザー誘起蛍光分光)測定を行った。UIVの化学系は [U(NCS)8]4-であると考えられる。精製後試料を用いたスペクトル測定では、精製前にブロードであったスペクトルは4つのシャープなピークとなり、1 ns前後の非常に短い発光寿命を有することが明らかになった。 また、このイオン液体中における、重金属錯体の凝集形態を詳細に調べるために金属原子間相互作用の大きい金(I)錯体を用いて、構造化学的検討を進めた。その結果、擬一次元構造をした金原子骨格が紫外光励起によって変形し、金原子間の距離が短くなることがわかった。 重金属とチオシアナト配位子の錯体内,錯体間における相互作用を利用することで新たな光機能を有するイオン液体の創成が達成された。
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