2013 Fiscal Year Research-status Report
震災対応蓄電池導入と環境負荷低減活用のコベネフィット分析
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24561053
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岡島 敬一 筑波大学, システム情報系, 准教授 (60303533)
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Keywords | 非常用電源 / 燃料電池 / CO2排出量 / 環境負荷低減 |
Research Abstract |
2011年3月の東日本大震災において非常用電源等のエネルギーシステムは十分に活かされず、被災地の避難所でのエネルギー確保に困難が生じた。一般的に非常用発電機としてディーゼル型発電機が導入されているが、災害時のみにしか稼働させないため利用頻度が少なく、設備全体の利用率を低下させる要因となっている。一方で、ディーゼル型発電機の通常時稼働はCO2排出の観点から考えると望ましくない。震災対応という一点での導入を考えた場合、蓄電池製造・導入に伴う環境負荷増大が伴うため、ライフサイクル評価の面では望ましいとはいえない。震災対応に加えて平常時においても電力平準化、ピークカットへ活用することにより、環境負荷低減効果が期待でき震災対応および環境負荷低減のコベネフィットと見なすことができる。本提案はこれらの定量的分析を進め、求められる震災対策用分散型エネルギーシステムの明示化を目的としている。 平成25年度は、非常時における停電対応能力について定量的な分析を行い、導入が進められている太陽光(PV)・蓄電複合システムについて設備容量の観点から評価を進めた。PV・蓄電複合システムを指定避難所に導入し各天候パターンを考慮しながら停電状況に対してどの程度対応することが出来るのが検討を行った。非常時における想定電力需要を構築して分析を行った結果、平均して期間中の58%に渡って停電を回避出来る結果が得られた。一方で停電対策効果は十分ではない結果も示され、現状では蓄電池容量が需要に対して小さいことが定量的に明らかとなった。加えて、対象施設の平常時運用におけるピークカット効果について、蓄電池特性を考慮した放電試験により得られたパラメータ解析に基づくシミュレーション解析を行い定量的な評価を進め、平常時におけるピークカット電流、電力や削減電力量を定量化し、蓄電池の平常時利用の有用性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の成果は十分に得られた。特に非常時における想定電力需要構築をそれに基づいた停電回避定量的評価は学会発表において反響が得られた。また、平常時における蓄電池導入評価モデルのMatlab/Simulink構築作業も進み、パラメータ評価展開を進めるための土台の構築が出来た。一方で、太陽光発電量ならびに蓄電池温度特性を詳細に考慮した季節別変動や地域差の検討までは十分に進められず作業に若干の遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
ケーススタディで得られた成果を拡張するため非常時、平常時双方における季節別変動や地域差の検討を進め評価精度の向上を目指すとともに、蓄電池導入評価モデルに沿った蓄電池ライフサイクル評価モデルの構築を進め、震災対応および環境負荷低減のコベネフィットについての統合的定量分析へ展開し、研究目的である、求められる震災対策用分散型エネルギーシステムの明示化を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
太陽光発電量ならびに蓄電池温度特性を詳細に考慮し、季節別変動や地域差の検討を進め始めているが、十分の精度の評価までは時間的な面から達しておらず、次年度使用額が生じた。 季節別変動や地域差のシミュレーションのための調査旅費として使用する。また、太陽光発電システム、燃料電池スタックおよび蓄電池スタックを用いた特性評価試験を通して需要カーブとの比較検討試験に使用し、蓄電装置に要求される特性の検討と装置容量の算出を進め、研究目標の達成に向け展開する。
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