2014 Fiscal Year Research-status Report
太陽光エネルギー変換の高度化に向けたレーザー駆動MHD発電機の開発
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24561054
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
村上 朝之 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 助教 (20323818)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 電磁流体力学 / エネルギー変換 / 大気圧プラズマ / MHD発電 |
Outline of Annual Research Achievements |
次世代のクリーンエネルギー源としての太陽光エネルギーの高度利用を念頭に置いた「太陽光/太陽光励起レーザー/電気」エネルギー変換コンセプトを提言し、これを可能とする革新的な電磁流体力学(MHD)発電の実現を目的とする。大気圧条件下で生成されるレーザー誘起プラズマの特性を把握することは、レーザー駆動MHD発電機を実現するために極めて重要である。プラズマ生成領域からMHD発電領域に至るシームレスな理論体系の構築を踏まえ、衝撃波管駆動方式リニア形状ファラデー型MHD発電実験およびレーザー駆動方式リニア形状ファラデー型MHD発電実験へと展開した。特に、レーザーブレークダウンプラズマのシミュレーションモデルの開発を行うことが極めて重要であり、大気圧ヘリウムプラズマを対象としたシミュレーション研究を行った。実験研究を踏まえたモデリングを行い、ヘリウムガス・湿潤空気の混在する実環境における極めて豊富な化学種の挙動およびその複合化学反応過程を明らかにした。特に、ナノ秒からミリ秒スケールで変化する電子温度・電子密度・準安定種密度の把握を行い、トムソン散乱法による実験成果との比較検討を行った。ここで開発したシミュレーションモデルは実験結果をよく表現しており、このことはレーザー駆動MHD発電機を実現する上で極めて意義深い。また開発した数値計算モデルは、レーザープラズマのみならず広く大気圧プラズマの特性シミュレーションに利用できる汎用性を有している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
プラズマ化学反応モデリング研究において顕著な進展を遂げた。また国際共同研究を進展させ、英国・米国研究者が行った「トムソン散乱法による大気圧ヘリウムプラズマの電子温度・電子密度計測」実験とのベンチマークを行うことができた。ここで得られた知見を踏まえ、レーザー駆動MHD発電に関する基礎的な実験を行うことができた。これらの注目すべき成果を挙げ、査読付国際学術論文2報・査読付国内学術論文3報・国内外会議における招待講演等の顕著な業績を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
東京工業大学大学院総合理工学研究科から成蹊大学理工学部へと研究代表者の異動が生じた。成蹊大学においては電磁流体力学エネルギー変換に関わる大規模実験研究が容易ではないため、前年度までの成果を発展させる数値計算研究に力を注ぐ。一方、実験研究設備の整った東京工業大学においてプラズマ生成実験研究・エネルギー変換実験研究等を行う。各機関設備の特徴を活かし、研究全体が不調に陥ることを防ぐべく万全の体制をとる。
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Causes of Carryover |
平成26年度の研究が予想を上回り進展し、顕著な業績をあげることができた。このことを踏まえ、また、次年度から研究代表者が異動先において途切れなく研究活動を進展させるためのスタートアップ資金拡充のため、平成27年度分予算と合わせあわせた使用計画を立てる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
基本的な使用計画に大幅な変更はなく、数値計算研究を主眼とする。また、国際的な研究活動の基盤構築を図る。具体的には、モデリング・計算研究資産(ソフトウェア・ハードウェア両面)の拡充、国際会議における講演等への予算使用を行う。
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Research Products
(12 results)