2014 Fiscal Year Annual Research Report
長期エネルギー需給システム計画のための拡張モデル概念と逆問題
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24561056
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
手塚 哲央 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (60163896)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 長期エネルギー需給シナリオ / 最適解 / 逆問題 / 遺伝的アルゴリズム / 基底変数 / 理解 |
Outline of Annual Research Achievements |
将来エネルギー需給に関わる議論の際には、その前提条件とその結果として得られる将来シナリオとの間の関係を把握することが重要となる。しかし、多様な前提条件の組合せは数多く多岐にわたり、その全体像の理解は容易ではない。そこで、本研究では、前提条件とその結果として得られるエネルギー需給シナリオとの関係を分析・把握するために、まず、前提条件の選択過程をモデルに含めた「拡張モデル」の概念を新たに提案した。そして、その関係の理解に有効な、所与の条件群を満足するシナリオを最適解として与える前提条件集合を求める「拡張モデルの逆問題」の解法を開発した。この「拡張モデル」の視点で構築されたエネルギー需給モデルの例は過去には存在しない。 ただし、逆問題の解は普通、非常に多く存在するために、解を一つに絞る工夫をとるか、あるいは発見的アルゴリズムが必要となる。本研究では後者の方法を採用し、遺伝的アルゴリズムを用いた求解手法を開発した。そのために、条件群を離散的な条件群に限定し、その条件群の中で、希望するシナリオを最適解としてシミュレーション分析によりその有効性を示した。具体的には、輸送部門において水素が燃料として利用するシナリオが最適解として得られるための条件群を求めた。 しかし、一方で、この手法を意思決定支援の場で用いる場合には、一つの条件集合と最適シナリオとの関係から、特定の条件群がある最適シナリオの実現に不可欠であることが要求される。そのために、一つの逆問題の解から特定の変数(例えば水素消費量)が正値の基底変数として留まるための条件を求める対話型求解手法を考案し、その有効性を被験者実験により確認した。これらの手法は、対象シナリオに対する理解を深めるために有効となるものである。
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[Journal Article] Multi-objective optimization model for sustainable Indonesian electricity system: Analysis of economic, environment, and adequacy of energy sources2015
Author(s)
Widodo Wahyu Purwanto,Yoga Wienda Pratama,Yulianto Sulistyo Nugroho, Warjitob, Gatot Fatwanto Hertono, Djoni Hartono, Deendarlianto, Tetsuo Tezuka
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Journal Title
Renewable Energy
Volume: 81
Pages: 308, 318
Peer Reviewed
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