2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24561062
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
天野 嘉春 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (60267474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 弘一 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30029293)
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Keywords | 数理工学 / 最適化 / 再生可能エネルギー / 蓄電池 / コージェネレーション / ヒートポンプ / スマートグリッド |
Research Abstract |
最適更新計画問題において初期システム構成が,更新計画に対して重大な影響を及ぼすことが予想される.実在する病院用エネルギー供給システムを元に,具体的なシステム構成候補をほぼ網羅的に想定してスーパーストラクチャを構築し,更新計画問題を混合整数計画問題として定式化して調査した結果を日本機械学会論文として投稿していたが,本年度発行された.当該論文では,機器性能値(効率,特に経年劣化に伴う機器性能劣化や新規技術開発による将来の性能向上の度合い)を考慮したモデルおよびパラメータを具体的に提示し,「初期コストが高いが,高性能な機器」や「初期コストは低いが,性能劣化の影響が強い機器」などとの組み合わせが,実際どの程度の経済性に影響するか,評価期間を機器の法廷耐用年数と同じく15年と設定し,評価して整理した.その結果,現在市場にある製品を元に想定した場合には,「初期コストが高いが,高性能な機器」が最適なシステムとして更新される傾向が見られ,法定耐用年数を待たずに導入することが最適であることなどの結果を得た. また,蓄電池として今後導入促進が期待されるリチウムイオン形2次電池の劣化特性が,長期間の最適機器運用に与える影響を考慮するための混合整数計画問題モデルを定式化した.ここでは特に,サイクル劣化特性と放電深度履歴に依存する劣化特性をモデル化した.非常用によく見られる常時満蓄状態近くに維持するフロート充電は想定せず,日々,省エネ性あるいは経済性を重視した最適な運用を行うことを想定した.家庭用を想定した評価期間10年の場合,最適運用に対する蓄電池の劣化特性が与える影響は無視できず,運転モード(経済優先か,省エネ優先か)による最適運用の違いを明らかにした.この成果は,エネルギー・資源学会および日本機械学会にて発表した.2014年度に行われる国際会議で,さらに発展した成果を報告する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度設置した試験装置に,一部不具合が発生した.これを補修したため,実験データの収集がやや遅れているが,その他の理論的研究および具体的な数値実験は予定通り進捗した.
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Strategy for Future Research Activity |
(1)引き続き,試験装置による太陽光継続データの収集,解析を進める.また,試験装置の要素(PVアレイ,パワーコンバータ,蓄電池)の要素特性を試験データから同定し,最適化問題のモデルパラメータとして整理する. (2)太陽光入射量の実データといくつかの予測手法との乖離を定量的に評価する.この結果を用いて,最適更新計画問題に与える影響を評価する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
試験装置の消耗品関連を,安価なものを選定したため,若干の差額が生じた. 試験装置の実験補助およびデータ解析のための研究補助員賃金や,消耗品に充当する予定である.
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Research Products
(3 results)