2013 Fiscal Year Research-status Report
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24570013
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鈴木 誠治 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 農学研究院研究員 (00467086)
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Keywords | 行動 / 生態 |
Research Abstract |
親の給餌量は子の要求量と配偶相手の仕事量によって決まると考えられているが、その相互作用の研究例は少なくそれぞれの役割を相対的に評価できない。また、直接の雌雄の相互作用だけでなく父性の確かさによってもオスの投資量は変化する。本研究は親による 給餌量に影響するとされる要因の中から家族関係を総合的に解析することで、見かけの現象や影響の小さい要因である可能性を排除して、どの要因が大きく影響しているのかを調べる事が目的である。昨年度の実績は以下の通りである。 1)モンシデムシに見られる家族内コンフリクトについて、先行研究を元に総説を執筆した。この成果はすでに受理され、印刷中である。 2) 父性の確かさはオスの育児参加における重要な要因とされている。これを確認するため、マイクロサテライトマーカーを開発した。この成果はすでに受理され、印刷中である。 3)モンシデムシの給餌頻度が親によって決定されるか、幼虫によって決定されるか検証するために、a)片親を除去するかハンディキャップをつけることで親の給餌頻度を変えて、幼虫の餌請い頻度を比較した。母親を除去すると幼虫の父親に帯する餌請いは増加したが、母親にハンディをつけた場合は変化しなかった。b)親を棒の先にくくりつけて給餌できなくし、また幼虫が自力で餌をとれる場合と捕れない場合で餌請い頻度を比較した。自力で餌をとれないと幼虫の餌請い頻度は増加したが、それでも母親に対する餌請いの方が多かった。この結果からは、親の給餌がある程度幼虫によって操作されている可能性を示唆した。以上の結果は現在投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最初に提出した研究計画とほとんど同じ進展状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定した計画をそのまま早めに遂行していく予定である。その上で可能であれば追加実験を行いたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度の国際学会参加のため、予算を多く残す必要が生じた。 2014/7/31-8/5の国際行動学会参加費として使用
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Research Products
(4 results)